福岡市は17日、市役所1階ロビーの改装工事と一体で進める西側広場の整備に1億9,446万円の工事費がかかることを公表した。
2年度にまたがる全体の事業費は、平成23年度の1階ロビー改装費1億3,800万円と合わせ計3億3,246万円にのぼる。
市側に確認したところ、事業費をまかなうため新たに1億500万円の起債が必要としており、1階ロビー分7,800万円と合わせた起債総額は1億8、300万円まで膨らむことも分かった。
市役所改装という高島宗一郎市長の思いつき事業に、福岡市民が2億円近い借金を背負うという事実・・・。歪んだ、というより狂ったと表現した方がよさそうな事態だ。
(右は市役所西側広場の改装イメージ図)
膨らんだ事業費
福岡市が公表したのは、来年度予算に計上する予定の市役所西側広場の整備工事にかかる事業費の額。
同整備工事は、現在工事が行なわれている市役所1階ロビーの改装と一体で計画されていたもので、市役所の西口玄関側に常設の舞台を設置し、上部に屋根を建設するほか、広場の左右から舞台上の屋根部分までを回廊で結ぶ計画だ。
この事業にかかる費用は、当初1億円を超える程度と見積られていたが、地下駐車場がある市役所の構造上、補強工事を施す必要性が生じるなど、さらなる事業費の増額が見込まれていた。
この日公表された事業費は1億9,446万円。予定より1億円近く費用がかさむ結果となっており、平成23年度の1階ロビー改装費と合わせ、事業費総額は3億3,246万円にまで膨れ上がることとなった。
市民に押し付けられる約2億円の借金
問題は事業費の原資である。1階ロビーの改装にかかる1億3,800万のうち3,500万円を国のまちづくり交付金、2,500万円を市の一般会計からまかなうとされるが、残り7,800万円は起債、つまり借金に頼っている。
来年度の西側広場整備費用として公表された事業費1億9,446万円については、まちづくり交付金から7,778万円、一般会計から1,168万円を充てるが、残り1億500万円は新たに借金(起債)をするのだという。2年度にわたる市役所改装事業における起債総額は1億8、300万円となる。
市役所の改装という暮らしとはあまり関係のない事業で、市民が約2億円もの借金を背負わされるのである。
「情報発信」-はしゃぐタレント市長
「情報発信、情報発信」とはしゃぎまわる高島市長だが、福岡市民が期待したのはこうした手前勝手な施策ではなかったはず。ましてや市民の知らないうちに、選挙公約にもなかった市役所改装を一番に指示し、市民に借金まで押し付けるなどという愚行を演じるとは予想だにしなかったに違いない。
しかし現実を見る限り、福岡市の有権者が選んだのは、市民の暮らしではなく、こうしたばかげた事業を優先する市長だったということになる。
なお、同事業をめぐっては、設計業者の選考委員会で高島市長の友人が選考委員長を務めていたことや、選考にあたっての不可解な採点結果など、多くの疑問点があることも判明している。
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