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福岡・高島市政 終わりの始まり

2017年3月 8日 09:35

20160107_h01-01.jpg 職員の非を棚に上げ、弱い立場の市民を平気で警察に突き出す福岡市。高島宗一郎市長が進めてきた屋台公募を巡り、福岡市政の歪みが顕在化した。(参照記事⇒「市民を犯罪者に仕立てる福岡市の理不尽 ~屋台公募の裏で」)
 選定過程での不正が判明しているにもかかわらず、相変わらず不透明な形で進められる再公募。間違った方向に走って批判を受けても、止まらないのが現市政の特徴だ。昨日報じた「暴行事件」は、何があっても“謝らない”という市長の姿勢が、職員にまで浸透した証左と言えよう。当然、少しでも都合の悪い報道には敏感になる。屋台公募の裏でも、市側の露骨な報道規制が行われていた。

■報道各社に露骨な圧力
 新規屋台の選定過程で、情報漏洩という不正が発覚したのは先月11日。テレビ西日本(TNC)の報道番組「土曜NEWSファイル CUBE(キューブ)」のスクープだった。そこから先の展開は、周知の通り。規定に反して選考委員側と接触した6人の合格者を失格とし、新たに6枠の屋台営業者を決める再選考を行うことになっている。

 最初に屋台公募における市側の姿勢に批判的なニュースを流したのは、地元民放局のKBC九州朝日放送だった。しかも番組は、かつて高島市長がキャスターを務めていた「アサデス。」。福岡市の幹部が激怒したのは言うまでもない。

 その直後から始まったのが、市政記者クラブ加盟社の記者を一人ずつ呼んでの所管部局などによる説明。市側の言い分をきちんと書けという主張だった。つまりは「圧力」。事情を知る報道関係者からは「明らかな圧力。“福岡市にとって都合の悪いことは報道するな”いうことだろう」(テレビ局記者)、「一社ずつ呼んで話す必要はない。会見で、きちんと説明すれば済むことで、露骨な圧力ととられても仕方ない」(新聞記者)といった声が上がっていた。

■報道規制
 高島市政の報道規制は、今に始まったことではない。昨年11月に起きた博多駅前の道路陥没事故では、事故原因を探ろうとする報道の動きを牽制するかのように、すべての情報公開請求に開示決定期限の大幅延長で対抗。小出しに情報開示してきたが、肝心の部分は議会の請求にも情報公開にも応じていない。事実上の報道規制だ。たまに出てくるのは、施工業者の責任を匂わせるようなリーク情報に基づく記事ばかり。市長が、「強度が30倍になった」と胸を張った埋め戻し現場を、もう一度掘り返して埋まった産廃を処理しなければならないことなど、市側にとって都合の悪い話は一向に報じられる気配がない。

 福岡市の報道対応は、異常と言うしかない。かつては、平の職員でも応じていた取材を、高島体制になってからは課長級以上に限定。取材を受けたら、文書で上に報告することを義務付けるなど、徹底した情報管理を行うようになっている。都合の悪い事案について、報道側に文書でのやり取りを強要するようになったのも、ここ数年のこと。市長を守るための“壁”は、高くなる一方だ。

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■監視強化
 風通しの悪さは全庁的で、特に市長、副市長の部屋がある9階は、かつての市役所とはまったく違う場所になった。以前は、エレベーターを降りて誰もが自由に行き来できたこのフロア、現在はガラスドアで締め切り状態となっており、警備員の了解がなければ中には入れない。天井には複数の監視カメラ。何を監視しているのか分からないが、高島氏の姿勢を、如実に示す光景である。派手なパフォーマンスは得意だが、自分の考えや施策を一方的に発信しているだけ。市長は、自分に向けられた批判や反論には耳を貸す気がない。当然ながら、反発を生む。

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■目立ち始めた綻び
 福岡空港の民間委託を担う新運営事業者への出資を巡り対立を深める市長と自民党市議団。「出資しない」と頑張る市長に対し、自民党市議団側は、きょうにも出資を前提とする新たな条例案をぶつける予定だ。もともと、議会軽視で国や県との協議を行っていた市長に責任があるのだが、高島氏が謝ることは「絶対にない」(市長周辺)という。2度の選挙で高島氏を支えてきた自民党市議団が、事実上の野党になったのは、高島氏の政治家としての資質に問題があるからに他ならない。

 分かりやすい例がある。平成25年に議会中のフィットネスクラブ通いを咎められた時は、何の反省もなく逆に抗弁。翌日にはフェイスブックに、プールでほほ笑む自身の写全力で市政に≪全力で市政に取り組むため、時間を見つけては運動をしたり、体調管理に努めています。ところが昨日、市長の出席予定のない分科会開催日にジムに行ったと共産党から批判されました。今朝の新聞はこれを受けて「議会開催中にフィットネスやサウナ」と書きました。見出しだけ見ると、まるで出るべき会議をサボってたみたい。議会の出席予定もなく公務もない日だったのに≫と書き込んでいた。批判を真摯に受け止める度量が、高島氏には備わっていない。市の職員が屋台公募や陥没事故での失策を隠したがるのは、マイナスの報道を嫌う市長を意向を忖度すればこそ。しかし、綻びは目に見えて広がっている。

 市長就任後、高島氏は「広告を出しておけば、(報道を)抑えることができる。民間だってやってるでしょう」として、広報・宣伝費の増額を指示。福岡市が記者クラブ加盟社に支出する広報・宣伝費が、高島市政下で急増していたことも分かっている。自分には、「報道はコントロールできる」という“うぬぼれ”だ。だが、屋台公募や福岡空港への出資問題は、明らかに失政。抑えようとしても、市民が報道の不作為を認めないだろう。

【参照記事】
「広告で報道コントロール」 ― 高島福岡市長の意図 市関係者が証言
税金でメディア支配 ― 市長選の年、福岡市の広告費4倍に

 議会との対立や市政の綻びが顕在化したのは事実。市長自身の傲慢さが、高島市政の終焉を早める可能性が出てきた。



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