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福岡県知事選 自民選考で噂される4人とは……

2018年11月29日 07:40

00000000-県庁.jpg 福岡市長選挙は現職・高島宗一郎氏の圧勝に終わった。来年1月には北九州市長選が控えているが、どうやら現職・北橋健治市長の優位は動きそうにない。
 次に注目されるのは、春の統一地方選挙と同時に行われる福岡県知事選だが、こちらは波乱含み。自民党福岡県連が候補者選考組織の立ち上げを決めたことから、小川洋知事の3選に黄信号が灯った形となっている。
 知事候補として複数の名前が挙がる状況となっているが、その顔ぶれとは・・・・・・。

◆小川氏含め4人が浮上
 自民党県連は、来月3日に開く執行部会から候補者選考を正式にスタートさせ、県政を検証する中で小川氏を支援するか否かの結論を出す予定だ。2016年10月の衆院福岡6区補選で関係が拗れて以来、反小川の姿勢を鮮明にしてきた麻生太郎財務相の意向を反映してか、県連内はピリピリムード。「小川の推薦はない」と言い切る地方議員は少なくない。いまだに意中の人物を明かそうとしない麻生氏をよそに、県連内からは複数の候補者名が囁かれる状況となっている。

 まずは小川知事本人。知名度は群を抜くが、前述した通り麻生財務相との間の溝は深く、あっさり自民党の推薦を得られる保証はない。加えて健康面での不安を抱えており、昨年夏に肝臓がんで入院したことが再選に影を差しているのは事実だ。10月には福岡県議会が県の2017年度一般会計決算を賛成少数で不認定とするなど、小川包囲網は確実に狭まりつつある。

 では、小川氏を否定した場合、自民党の知事候補は誰になるのか――。取材の過程で浮かび上がってきたのは3人の名前だった。

・地元民放局の報道番組などでコメンテーターを務めている元厚生官僚T氏。
・財務省出身の大学教授T氏。
・閣僚経験のある現職参議院議員のM氏。

 テレビコメンテーターのT氏は、福岡市長選への出馬も噂された人物。福岡市内の小学校から久留米大附設中学・高校に進み、現役で東大法学部に入学した逸材だ。厚労省では医療畑を歩いたが、外資系企業に出向するなど異色の経歴で知られる。そのT氏が、今年4月から朝・夕のテレビ出演に加えラジオ番組にも起用されたことで、「知事選か市長選を狙っているのではないか」との見方が広がっていた。後ろ盾は麻生財務相とされるが、T氏自身は「小川さんが出るなら(知事選には)出ない」と話しているともいう。

 財務省出身の大学教授T氏は、東大法学部卒。大蔵省(現財務省)の官僚から大学教授になった人物だ。2011年の福岡県知事選で民主、自民、公明3党に推薦願を提出。「相乗り候補」を目指したが民主、自民両党の候補者選考から漏れ、出馬を断念した経緯がある。

 有力視されるのは参議院議員のM氏。当選3回で閣僚も経験済みだ。何より、全県選挙を3回戦ったことが最大の強みであり、支援の輪を広げる術を持っている。懸念材料といえば、M議員の所属が岸田派で同派の前会長古賀誠氏と近いこと。古賀氏と距離のある麻生財務相が「うん」というかどうかにかかっている。

 混とんする県知事レース。ある自民党関係者は、次のように話している。
「小川さんは政党の推薦がなくても出るんじゃないか。ただし、現職で応援するのは武田良太(衆議院議員)さんだけだろう。手足がない状態での全県選挙はつらいよ。古賀(誠)さんは、小川では動かない可能性があるが、子飼いともいえるM参院議員が出れば、もちろん万々歳。麻生さんとだって手を組むかもしれない。実際、小川さんに勝てるのはMさんぐらい。あとは、まず無理だな」



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