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川内原発直近に新たな活断層の可能性

2014年2月27日 07:55

川内原発 原子力規制委員会による安全審査が進められている九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)付近に、新たな活断層が存在する可能性が浮上。28日午後から鹿児島県庁記者クラブで、関係者らによる記者会見が行われる。
 川内原発をめぐっては昨年3月、HUNTERの文部科学省への情報公開請求で、政府・地震調査研究推進本部が九電作成の地質調査結果を否定していたことが判明。入手した同本部地質調査委員会長期評価部会の分科会議事録には、九電の地質調査結果を「解釈はとにかくひどいものである」と酷評した上で、「最もひどいのは、地表面(海底面)にまで断層変位が及んでいるにも関わらず、断層の存在を全く無視していることである」と明記。未公表断層の存在を指摘していたことが分かっている。
(参照記事⇒「政府機関が九電・川内原発周辺地質調査を否定―活断層隠蔽の可能性浮上」)

大学教授ら、28日に会見
 28日に会見するのは、鹿児島県内の市民、学生、大学研究者をメンバーとして、九電のこれまでの地質関係の発表資料を検討し、同時に現地調査を随時行っている「川内原発活断層研究会」と地質学者の立石雅昭新潟大学名誉教授。新潟県の「原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」委員である立石名誉教授は、1970年代から全国の原発立地地域の地盤調査を行っている原発と地震の専門家。川内原発については、昨年9月に出版した『川内原発を巨大地震が襲う』(南方新社)で警鐘を鳴らしていた。

 川内原発といえば立地前のボーリング調査で密かに行ったコア(地質サンプル)差し替えが10年後に発覚。当時の国会で大騒ぎになりながら、国、県が九電と一体になって建設を強行した性悪原発だ。地盤脆弱なうえ、周囲は活断層だらけ。さすがに原子力規制委員会も、新規制基準策定後の昨年7月の審査会会合で、九電の活断層評価を否定した政府・地震調査研究推進本部の「活断層再評価」を重視し、同社に対し、評価を見直すよう求めていた。

 性悪原発であることを知りながら再稼働に向けて突っ走る九電。もはや企業としての統治能力(ガバナンス)も法令遵守(コンプライアンス)もまったく期待できないが、そこに「待った」をかけそうなのが今回の新たな活断層発見の可能性だ。発見の端緒をつかんだのは、川内原発が立地する薩摩川内市の辻重義氏。辻氏は地元で古くから活動する住民団体の川内原発建設反対連絡協議会(鳥原良子会長)の一員として、もっぱら地盤と地質について調査、研究。立石名誉教授が川内市を訪れるときの案内役も務めている。
 「今回は2月に来られるというので、案内場所の目星をつけておこうと市内を回っていたら、原発から直線距離で8kmほどの道路沿いの山が拡張工事で削られ、そこを観察したところ、明らかに断層が走っていました」(辻氏)。

 現場を確認した立石氏にさらに地質サンプルを送ると、詳細な調査には時間が必要とはいえ「活断層の可能性がきわめて高い」との返答を得た。規制委が、再稼働に前のめりの安倍政権の政治圧力で、再稼働一番手に川内を指名すれば悲劇。記者会見が急遽行われるのは、そうした状況への危機感からだという。
(立石名誉教授のブログは⇒http://masatate.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

 今回の会見内容を伝えるメデイア各社のの報道姿勢にも注目したい。辻氏が断層を見つけるきっかけとなった道路拡張工事は、原発と対局をなす風力発電基地建設の資材搬入のため、地元の(株)柳山ウインドファームが手掛けているもの。天の配剤とはこういうことをいうのだろう。川内原発再稼働をめぐる動きに注目が集りそうだ。

<恩田勝亘&原発取材班>

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恩田勝亘:プロフィール
昭和18年生まれ。『週刊現代』記者を経て平成19年からフリー。政治・経済から社会問題まで幅広い分野で活躍する一方、脱原発の立場からチェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなど原発にからむ数多くの問題点を報じてきた。

著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない―舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)、『福島原発・現場監督の遺言』(講談社)など。

新刊「福島原子力帝国―原子力マフィアは二度嗤う」(七つ森書館)は、全国の書店で販売中。 



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