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古賀誠議員の自民支部 事務所費で“うなぎ”にラーメン
~問われる政治倫理~ 

2012年7月26日 09:30

うなぎ 古賀誠元自民党幹事長が代表を務める「自由民主党福岡県第七選挙区支部」が、経常経費のなかの"事務所費"に、数多くの飲食に関する支出を計上していたことが分かった。

 1万円以下の金額だったため政治資金収支報告書に記載されていなかった支出の中には、うなぎやラーメン、焼き鳥にとんかつといった飲食代も含まれている。

 飲食費は、法令が定めた事務所費に該当するとは考えられず、古賀氏の政治資金処理の杜撰さが改めて浮き彫りになった形だ。

飲食代を「事務所費」に計上
 HUNTERが福岡県選挙管理委員会への少額領収書の開示請求によって入手した同支部の領収書によれば、総選挙が行われた平成21年、老舗うなぎ屋やラーメン店での支払など、飲食にかかる支出だけで300件超、約90万円分が事務所費として計上されていた。

 もともと同支部の政治資金収支報告書には、1万円を超える飲食費として、40件分116万3,812円が"事務所費"として記載されており、合計すると200万円を超える飲食費が事務所の維持費用として計上されていたことになる。

 平成22年も同様で、1万円以下の支出約63万円分の飲食代が、事務所費の中に含まれている。この年の事務所費には、150万円近くの飲食費が含まれていたことになる。

 ちなみに、「自由民主党福岡県第七選挙区支部」(以下、『七区支部』)が、平成21年に支払った事務所費の合計は1,717万1,271円。このうち1万円を超える支出は1,464万2,092円で、残り252万9,179円分が1万以下の支出(『その他の支出』)として処理されていた。

 政治資金規正法では、支出を「経常経費」と「政治活動費」の二つに分類しており、このうち「経常経費」については、事務所費、人件費、光熱水費、備品・消耗品費に分けて経理処理するよう規定している。

 政治資金規正法施行規則では、事務所費を"事務所の維持に通常必要とされるもの"と定めており、事務所維持にかかる家賃・地代、公租公課、火災保険金等の保険金、電話料金、切手購入費、事務所の修繕料などがこれにあたる。法令の趣旨に従えば、飲食代を事務所費の一部として扱うのは不適切と見る方が自然だ。

 古賀氏が代表を務める七区支部では、飲食代を事務所費に計上することが常態化しており、不適切な経理処理が長く続いていたものと見られる。

うなぎ、ラーメン、とんかつに焼き鳥
 少額領収書の支出内容を精査したが、事務所の維持とは関係のないものばかりだ。
 前述したうなぎ代のほか、焼き鳥、ピザ、焼肉、イタリア料理、ラーメン、カレー、とんかつ、中華、ホットケーキなど幅広く食事を楽しんだとしか言いようのない状況。飲食場所も、福岡七区内や東京のほか、出張先と見られる他県での飲食も少なくない。
 (下は、少額領収書の一部。左から、うなぎ屋、ラーメン店、とんかつ店のもの)

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 選管関係者は、古賀氏の七区支部のケースについて次のように指摘する。「飲食費は、"事務所の維持に通常必要とされるもの"とは言えず、不適切な経理処理である可能性が高い。通常なら政治活動費として計上すべきではないか」。

「政治とカネ」懲りない政治家
 不適切な事務所費支出については、平成19年に故・中川昭一元自民党政調会長や伊吹文明元文科相、故・松岡利勝農相などの自民党有力議員が、主たる事務所を家賃の発生しない議員会館に置きながら、数千万円単位の事務所費を計上していたとして問題化。さらに、佐田玄一郎元行改革担当相や赤城徳彦元農相らの架空事務所費疑惑に発展し、閣僚辞任が相次ぐ騒ぎとなった。
 この過程で、当時は領収書の添付が義務化されていなかった経常経費の中に、多額の飲食費などを計上していたケースなども判明。政治とカネの問題をめぐって自民党政権を揺さぶる事態となった。

 翌平成20年、政治資金の透明化を求める国民の声に押される形で、政治資金規正法が改正される。
 国会議員が関係する政治団体を明確にした上で、これに該当する政治団体に対して「登録政治資金監査人」による監査を義務付けることや、1万円を超える支出の政治資金収支報告書への記載、さらには1円以上1万円以下の支出の領収書を保存し、開示請求に応えることを義務付ける制度(少額領収書開示制度)などが整えられている。

 平成22年には、自民党の小渕優子議員の資金管理団体が、秘書の飲食代などを事務所費に計上していたことが判明。訂正を表明するなど、事務所費問題は後を絶たない。

 古賀氏の「自由民主党福岡県第七選挙区支部」の政治資金処理に関しては、法に抵触する可能性が高い事例が次々と明らかになっている。

【参照記事】
古賀誠議員側 杜撰な政治資金処理に虚偽記載の疑い

古賀誠議員の政治資金処理に新たな問題

古賀誠議員側 政治資金監査に重大問題

 政党支部は、政党助成金の受け皿でもある。事務所関係者の飲食代を事務所費に計上することの妥当性は、論じるまでもないだろう。

 ところで、豊富な政治資金を有する古賀氏の事務所には、政治資金収支報告に出てこない支出もあったことが分かっているのだが・・・。



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