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僭越ながら:論

聞いて呆れる「自由」と「民主」

2018年8月28日 08:30

安倍石破.jpg 国民の声を無視して繰り返されてきた強行採決、未解明のままとなっている森友学園や加計学園の問題――。「真摯な対応」や「丁寧な説明」が言葉だけだったことは明らかだ。報道各社の世論調査で、いまだに内閣不支持が支持を上回るか拮抗しているのはそのせいだろう。
 しかし、現在の自民党は“言論”を放棄した卑怯者集団。「安倍ではダメだ」として総裁選に立候補した石破茂元幹事長の支持者でさえ、同氏に首相批判を控えるよう迫るという奇妙な現象が起きている。自由と民主を党名に掲げた政党が、北朝鮮や中国と同じ状態になっている。

■「正直、公正」が使えぬ党内
 自民党所属国会議員の8割近くが安倍の3選支持で固まるなか、不利を承知で総裁選に立候補した石破氏が掲げたキャッチフレーズは「正直、公正」だった。

 モリ・カケ問題を巡っては、昭恵夫人や加計孝太郎理事長といった疑惑の中心人物の国会招致を拒み、官僚に責任を負わせる形で強引な幕引き。子供が聞いても嘘だとわかる答弁を繰り返してきた安倍に対し、自らの立場を鮮明にさせる意味では、分かりやすいキャッチだった。

 周知の通り、モリ・カケ問題で問われているのは、安倍首相本人やその妻が「お友達」のために地位を悪用して“不公正”な行政運営を行わせたか否かという点。核心を知る昭恵夫人や、首相の「腹心の友}である加計理事長の国会招致は不可欠だったが、疑惑の解明を約束した首相も政府与党もこれを拒否し、一方的に幕引きを図った。国会招致が実現したのは、元財務官僚と首相秘書官だけ。その二人も、嘘とごまかしの証言で、国民を欺いた。

 各種世論調査でも明らかな通り、モリ・カケ問題への国民の疑念は晴れておらず、首相への不信感は残ったままだ。石破氏は、安倍政治と正反対の「正直、公正」を掲げ、総裁選の争点を明確に示したに過ぎない。

 選挙である以上、国民の思いに沿った争点を仕立てるが常道。かつての自民党なら、総裁選の候補同士が相手を厳しく批判し合ったものだ。しかし、一強の歪みは深刻で、政権批判を強めた石破氏に、なんと応援団から戦術の修正を求める声が上がった。

 石破氏が出馬会見で語った「首相秘書官が誰に会ったか分からないということであってはいけない」「いろんな事象について、国民が『本当なのか』と思っているのは事実」に対しては、同氏を支持する議員から「まるで野党」「やりすぎ」。石破支持を決めているはずの参院竹下派・吉田博美参院幹事長も、会見で「相手への個人的なことでの攻撃は、非常に嫌悪感がある」と不快感を示し首相批判を止めるよう迫った。「正直、公正」が、「不正直、不公平」な安倍首相への個人攻撃だというのだから、戦いにはなるまい。一体、何のための総裁選なのか?

■党名とは真逆の政党
 そもそも、国民の声を無視してこの国の民主主義を踏みにじってきたのは、安倍首相と自民、公明の政治家たちだ。第2次安倍政権の発足以来、政権がやってきたことを振り返ってみれば、明らかではないか。

強行採決表.jpg

 今国会でも働き改革法、カジノ法、改正公選法といった重要な課題すべてが強行採決。参議院の議席を6つも増やすという時代に逆行する法改正に至っては、衆参合わせてたった9時間の審議しか行われなかった。

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 自由民主党は、安倍政権下で一貫して国民の声を黙殺し、この国の民主主義に危機をもたらした。総裁選での自由な議論さえ許されなくなったことは、自由主義の否定だろう。安倍にへつらってばかりの政治家たちに、自由だの民主だのと言う資格はない。



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