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古賀誠議員の政治資金処理に新たな問題
関連政治団体の収支報告を大幅訂正

2012年7月18日 10:08

 古賀誠元自民党幹事長が代表を務める自民党支部と資金管理団体が、今年3月から5月にかけて、平成21年分の政治資金収支報告書に大幅な訂正を加えていたことが明らかとなった。

 収支報告書への記載が義務付けられた"1万円を超える支出"が新たに見つかったためで、28件・約80万円分が記載漏れとなっていた。

 先週報じた総選挙時の寄附金をめぐる不適切な会計報告と合わせ、古賀氏サイドによる政治資金処理の杜撰さが浮き彫りとなった形だが、改めて政治資金規正法上の問題点も浮上している。

少額領収書の開示請求受け訂正
 収支報告書の訂正を行っていたのは、古賀氏の資金管理団体「古賀誠筑後誠山会」(以下『誠山会』)と「自由民主党福岡県第七選挙区支部」(以下『七区支部』。両団体とも古賀氏が代表)。

 両団体は今年3月と5月、福岡県選挙管理委員会に提出していた政治資金収支報告書の支出に関し、1万円以下の「その他の支出」に算入していた28件・78万669円分を間違いだったとして追加記載していた。
 3月の訂正は、七区支部の収支報告書における7件・38万8,557円分。5月の訂正は誠山会の21件・39万2,112円分である。

 HUNTERは今年2月、国会議員関係政治団体の領収書等のうち、人件費以外の経費で1件1万円以下の支出に係るものについて開示請求を行うことができると定めた"少額領収書等の写しの開示制度"に基づき、福岡県選管に七区支部の少額領収書を開示請求。続いて4月には誠山会の少額領収書を開示請求していたが、この過程で両団体の記載漏れが見つかったと見られる。

 古賀誠事務所の会計担当者は、「少額領収書の請求があり、開示に向けた準備をする中で1万円以上の支出があることに気付いて訂正した」としているが、訂正して終わりという問題ではない。

チェックの形骸化 
 そもそも収支報告書は、残された領収書や備え付けが義務付けられた会計帳簿に従って作成されたものだ。この過程で1万円を超える支出を見逃す可能性は低い上、会計責任者がチェックし、「真実に間違いありません」とする"宣誓書"まで添付している。
 さらに、平成21年からは、政治家側が選任した登録政治資金監査人(弁護士、公認会計士、税理士などが登録)による厳しい監査まで受けている。
 二度もチェックされた報告書の内容が間違っていたとすれば、誓約書や監査報告書の信頼性まで失ったことになるのだ。

不可解な操作も   
 下は、誠山会が5月に訂正を行った誠山会の収支報告書の一部だが、これはページごと追加されていた。月ごとに支払った自動車保険料・計18万4,000円が記載漏れだったということだ。

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 この結果、当初この18万4,000円分を組み入れていた次ページの「その他の支出」20万2,890円が1万8,800円に訂正されているのだが、訂正された収支報告書と訂正前の報告書を比べるとおかしな点があることに気付く。

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 もともとの収支報告には、その他の支出として「18,800円」と正しい記載がなされており、報告書提出前にわざわざ自動車保険料・18万4,000円を加えて「202,890円」に修正していたのである。  5月の訂正では、再び18万4,000円を差し引いて「18,800円」に戻しており、不可解な操作だったことは明らか。まともな事務処理とは思えない状況だ。

七区支部の収支報告に政治資金規正法上の問題
 古賀氏の政治資金処理をめぐっては、平成21年年夏に行われた総選挙に際し、古賀氏が七区支部から受けた寄附に関する選挙運動費用収支報告書と同支部の政治資金収支報告書の記載がまったく違っており、政治資金規正法もしくは公職選挙法に抵触する状態であることも分かっている。
 古賀氏サイドも明確に答えることができないでいるが、ここで問題になるのは七区支部の収支報告に信頼性がなくなっていることである。

 選挙時の寄附総額は1,716万円だが、報じてきたとおり、選挙運動費用収支報告書と七区支部の収支報告書に記載された寄附の日付や回数がまったく違っており、どちらの記載が本当なのか分からない状態。
 ただし、七区支部の報告書に添付された領収書は、報告書記載どおり平成21年9月1日付けの500万円と1,216万円の2枚が存在している上、報告内容は古賀氏側が指定した監査人(古賀氏側の監査人は東京の弁護士)が確認したことになっている。

 しかし、監査を受けたはずの七区支部の収支報告に間違いが見つかったということは、同支部の収支報告および監査結果に信頼性がないことを示している。
 つまり、選挙時の寄附についての日付は、選挙運動費用収支報告書の詳細な記載が正しいことを物語っており、七区支部の収支報告書の記載と2枚の領収書に「虚偽」の疑いが生じる。
 古賀氏陣営が帳尻だけを合わせた可能性も否定できず、虚偽記載の疑いがより濃いものとなったと言えよう。

 古賀氏側に説明責任があるのは言うまでもないが、一連の政治資金処理に関する問題は、制度上の欠陥を示唆している。

つづく



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