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古賀誠議員側 杜撰な政治資金処理に虚偽記載の疑い
事務所側は修正明言

2012年7月13日 07:55

 自民党・古賀誠元幹事長の事務所による、杜撰な政治資金処理の実態が明らかとなった。

 古賀氏は、平成21年夏に行われた総選挙で自身が代表を務める自民党支部から約1,700万円の寄附を受けたが、自身の選挙運動費用収支報告書と支部の政治資金収支報告書に記載された寄附の日付や件数がまったく違っていたことが分かった。
 いずれかの記載が事実と異なっており、政治資金規正法もしくは公職選挙法に抵触する状態である。

 取材に応じた古賀事務所側も間違いを認めており、近く修正するとしている。

揺らぐ報告書の信頼性
 平成21年8月に執行された総選挙の後、古賀氏陣営から福岡県選挙管理委員会に提出された選挙運動費用収支報告書によれば、古賀氏は選挙費用として「自由民主党福岡県第七選挙区支部」(以下、『七区支部』)から1,716万円の寄附を受けたことになっている。

 7月23日の500万円を皮切りに、最少2万円から最大200万円まで29回に渡って寄附を受けており、最後の寄附は8月26日の10万円だった(下の報告書参照。赤字と黒塗りはHUNTER編集部)。

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 一方、候補者である古賀氏に寄附した七区支部の政治資金収支報告書には、古賀氏への寄附として同年9月1日の500万円と同日の1,216万円の2件が記載されているだけだ(下の報告書参照。赤字と黒塗りはHUNTER編集部)。

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 寄附の総額は1,716万円で合致するものの、寄附の日付や回数がまったく違っており、どちらの記載が本当なのか分からない。
 ただし、七区支部の報告書に添付された領収書は、報告書記載どおり平成21年9月1日付けの500万円と1,216万円の2枚が存在する。

 七区支部の報告書は、古賀氏側が指定した監査人(古賀氏側の監査人は東京の弁護士)が確認したことになっており、帳簿や領収書のチェックを受けているもの。間違いがあるとは思えない。
 すると、選挙運動費用収支報告書の記載が間違いということになるが、万が一監査が杜撰だった場合は、逆に七区支部の報告が間違いということになる。

 いずれにしても公職選挙法もしくは政治資金規正法の規定に抵触する状態で、虚偽記載が視野に入る事態だ。
 政治資金規正法は、1万円以上の寄附の支出について「政治資金収支報告書」に、年・月・日ごとの記載を、公職選挙法では1万円以上の寄附受け入れについて、年・月・日ごとに「選挙運動費用収支報告書」に記載するよう義務付けているからだ。
 もちろん、記載内容そのものが嘘であれば、別の規定に触れる。

 福岡県選挙管理委員会に確認したところ、「(現在のところ)適切かどうか正式にコメントする立場にはないが、1回の支払が1万円を超えた場合は、年・月・日ごとに収支報告書に記載することが定められており、そうすることが適切だ」とした上で、あとは司法の判断になるとの見解を示している。
 選管には捜査権限がないため、強制的に事実関係を調べることができないという事情はあるものの、古賀氏側が提出した2種類の収支報告書の内、どちらかが間違い(あるいは虚偽)であることを認めた形だ。

あわてる古賀氏側
 古賀誠事務所に取材を申し入れていたが、12日になって事務担当者が取材に応えた。

 記  者:七区支部の政治資金収支報告書と、選挙の時の選挙運動費用収支報告書の記載が違う。どちらが正しいのか?
 担当者:突然のことで驚いている。指摘された部分がたしかにおかしいことは分かった。

 記  者:杜撰ではないか?
 担当者:杜撰と言われるのが一番嫌いだ。

 記  者:しかし、寄附の日付が違いすぎる。杜撰ということではないのか。
 担当者:きちんとやってきたつもり。きちんと調べる。確認しなかった選管が杜撰なのではないか。
 記  者:選挙の収支報告と政治資金収支報告では根拠となる法律自体が違う。選管が両方の報告書を見比べる必要もなく、何の落ち度もない。提出側の責任だ。

 記  者:ところで、どちらの記載が正しいのか?
 担当者:七区支部の報告書では2回寄附したことになっている。

 記  者:七区支部の収支報告については監査も受けているはずだ。当然監査人が帳簿や領収書を確認しているはずで、古賀代議士から領収書も2枚出ている。しかし、選挙運動費用収支報告書の記載とは辻褄が合わない。帳簿は本当にあるのか?
 担当者:帳簿はもちろんある。

 記  者:報告書は帳簿に基づいて作成されるはずで、正確に転記すればこうした事態にはならないはずだ。
 担当者:きちんと調べて対処したい。

 記  者:修正すると言うことか?
 担当者:もちろん修正する。ただ、どこで間違ったのか調べないといけない。修正はきちんとやる。

 古賀氏サイドも明確に答えることができない状況だが、引っ掛かるのは帳簿の存在だ。
 選挙運動費用収支報告書と選挙運動費用収支報告書は、前述したように公選法と政治資金規正法という、それぞれ違う法律によって種々の義務が規定されているのだが、会計帳簿の備え付けと一定期間の保存は共通の規定。帳簿の記載に従って報告書が作成される以上、今回のような間違いが起きるとは思えない。
 古賀氏陣営で、帳尻だけを合わせた結果、こうした事態を招いた可能性が否定できない。

 古賀氏側の修正を待つしかないが、同陣営の杜撰な政治資金処理はこれだけではなかった。

つづく



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