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「博多港ふ頭」社長交代へ

2018年5月17日 08:45

00000-ふ頭.jpg 高島宗一郎福岡市長の就任以来、事前に漏れることがなくなったのが、市と外郭団体の“人事”。主要な役職の人事は市長主導で決められ、正式発表まで報道されることはない。
 福岡市の人事に限っては、いわゆる「新聞辞令」が影を潜めている状況。例外となるのは、異動の対象となる人物への評価が定まらず、周辺から交代を望む声が強まった時だ。
 今回はまさにそのケース。博多港の管理運営を行っている福岡市の第3セクター「博多港ふ頭」の社長が、6月に交代することが分かった。(写真は、「博多港ふ頭」が入居するビル)

◆角原社長退任、後任は二宮専務理事
 複数の市関係者によれば、今年6月の株主総会で、現在の社長である角原孝氏の交代が決まるという。同氏は、在任1年で社長の座を譲り、同じ市の3セクである「福岡タワー株式会社」の社長に就任する見込みだ。博多港ふ頭の後任社長には、専務取締役の二宮潔氏(元市道路下水道局長)が昇格するものと見られている。

 博多港ふ頭は『管理型の港湾運営から、経営型港湾運営へ』をコンセプトに、1993年に設立された福岡市の第3セクター。福岡市が整備した公共港湾施設の指定管理者として、博多港にある施設の管理運営事業を中心に、コンテナターミナル利用者向けのサービスや荷役機器メンテナンス事業なども行なっている。

 具体的には、「港湾管理者」である福岡市から一括して借り受けた香椎パークポートとアイランドシティにあるコンテナターミナルの運営、公共岸壁の効率的な運用や港内を通行する船舶の安全航行を確保する目的で行う入出港時間及び係留位置の調整といった仕事だ。

 博多港ふ頭の社長は、副市長や局長経験者の天下りポスト。もっとも在任期間が長かったのは、国土交通省出身で2006年に市副市長に就任した経験を持つ江頭和彦氏である。2006年から2015年6月まで江頭体制が続き、以後、大東光一氏(2015年7月~)、阪下進氏(2016年7月~)、角原孝氏(2017年7月~)と、1年交代で市幹部OBからの登用が続いていた。

◆社長交代の背景
 角原氏は、交通局の理事から市の3セク「博多港開発株式会社」の常務に抜擢され、2017年に社長昇格を果たした人物。副市長はもちろん、局長の経験もない。同氏の社長交代劇について、ある港湾関係者は次のように話す。 
「角原さんの評判は決して良いとは言えない。港湾行政のプロだった江頭さんとは比べるまでもない。同じ1年交代でも、やはり港湾行政に詳しかった大東さんや阪下さんのケースとも事情が違うと思う。角原さんは交通局の理事から(博多港)開発の常務になり、いきなり社長になった。局長経験もなければ、港湾の専門家でもなかった。市長の私設秘書と親しかったからこそ可能となった人事だろう。私の知る港湾関係者の多くが、『早く辞めてくれないか』と言っていたのは確かだ。ふ頭の社長にまでなるとは、思ってもみなかった。ふ頭の社長は、博多港開発の時以上に能力が問われるポスト。1年での交代は、当然だろう」

 角原氏が最初に港湾関係者の怒りを買ったのは、博多港開発の常務になってすぐの頃だ。2014年、市長の私設秘書からパーティー券購入の取りまとめを依頼された角原氏は、港湾関係の企業・団体で組織される一般社団法人の上層部にパー券販売を押し付けた。信頼関係が築けていない時期の角原氏の暴走。博多港開発を舞台にした「ケヤキ・庭石事件」の教訓を無視した行為だとして、港湾関係者から厳しい批判が渦巻いたのは言うまでもない。
*参照記事⇒「福岡市長の政務秘書 3セク幹部にパー券取りまとめ依頼の疑い

 組織トップとしての資質に疑念を持たれていたのも確かだ。昨年9月には、6月まで社長を務めていた博多港開発のタクシーチケットを、私的に流用していことが発覚。港湾関係者だけではなく、市内部からも批判の声が上がる事態となっていた。
*参照記事⇒「福岡市の3セク社長 タクシーチケット私的流用の疑い

 「決して能吏ではない」(市幹部OB)と評される角原氏が外郭団体の重要ポストを歴任できたのは、同氏が高島市長の私設秘書と親密だったからだ。市の人事にまで口を出していた私設秘書が、角原氏を博多港開発の社長に据えたのだという。その政務秘書は昨年暮れ、利権に手を出したことで関係者の怒りを買い、市役所への出入りを禁じられている。



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