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福岡市の3セク社長 タクシーチケット私的流用の疑い
「ケヤキ・庭石」の博多港開発で

2017年9月21日 08:35

20140911_h01-01t-thumb-280x240-11320.jpg 福岡市の第3セクター「博多港開発」で今年5月まで社長を務めていた福岡市OBの角原孝氏(現・博多港ふ頭社長)が、同社のタクシーチケットを私的に流用していた疑いが浮上した。
 HUNTERが福岡市への情報公開請求で入手したタクシーチケットの写しを精査したところ、夕刻になっての自宅周辺からの乗車や、業務と関係がないと思われる区間でのタクシー利用が多数あることが判明。周辺取材調を進めたところ、複数の関係者が角原氏のタクシーチケット私的流用に気付いていたことが分かった。
 博多港開発は、多額の公費投入で倒産を免れた会社。過去には同社が購入したケヤキ、庭石を巡り元社長らが特別背任で有罪判決を受けており、角原氏の公私混同に批判の声が上がりそうだ。 

■市長私設秘書と近い存在
0-角原氏.jpg 博多港開発は、福岡市が展開してきた港湾行政のかつての主役。昭和36年から須崎浜、荒津、福浜、箱崎、香椎、小戸・姪浜(現マリナタウン)、東浜など、博多湾内での主な埋立造成・分譲を行い、アイランドシティの埋立分譲事業をけん引してきた。これまで社長には歴代の副市長や港湾局長経験者が就任している。

 角原氏は、交通局の理事から博多港開発の常務に転じ、平成27年6月には社長に就任。高島宗一郎市長の私設秘書を務めている木村哲晃氏と懇意で、博多港開発の社長就任にあたっても木村氏の強い後押しがあったとされる。

■業務時間内、自宅に帰り“飲み会”出撃
 市関係者の間で角原氏の公私混同ぶりが噂に上り始めたのは、博多港開発の社長就任から数か月経た頃から。公人的な飲食に、会社のタクシーチケットを使用しているのではないかという疑いだった。HUNTERは、角原氏退任後の8月、博多港開発が保有する帳簿や交通費などの関連書類を福岡市に情報公開請求。開示された書類の写しを精査し、角原氏のタクシーチケット利用状況を確認した。

 角原氏が社長だった平成27年6月から今年5月までの約2年間に、タクシーチケットを使ったのは計263回。このうち、通常の業務時間帯以外の利用及び明らかに業務外と思われるチケット利用が55回に上っていた。金額は最低で900円台、最高は8,000円台だった。

 角原氏の自宅は市内東区。チケットに記載された乗車地「香椎」は、その周辺からとみられ、香椎から博多港開発とは関係のない場所への乗車が15回あった。同社の業務とはほとんど関係のない「若宮~津屋崎」(6,090円)、「舞松原~糸島」(7,000円)、「箱崎~神在(糸島)」(8,130円)、「土井~津屋崎」(6,510円)「石城町~中洲」(820円)、「舞鶴~八田」(2,800円)、「箱崎~野芥」(4,520円)といった記載が多数ある。
(*下は角原氏が使ったタクシーチケットの一部)

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 市関係者によれば、角原氏は業務時間帯の午後3時~4時頃に退社。いったん通勤に使っていた自家用車で自宅に帰り、クルマを置いて飲み会や夜の食事に出かけるケースが多かったという。夕刻、香椎から市内各所へタクシーを利用したのは、私的な飲食に向かうためだったと見られている。角原氏関連の食糧費についても確認したが、タクシーチケットの私的利用が疑われるケースと重なる日付はなく、社用だった可能性は薄い。

 博多港開発の内部で角原氏の私的なタクシーチケット利用が問題視され、会社側が直接同氏に注意を促したという話もある。民間企業とはいえ、博多港開発は福岡市の第3セクター。市は資本総額の51%にあたる32億6,400万円を出資しており、職員はみなし公務員だ。タクシーチケットの私的流用は、絶対に許されない。角原氏は今年6月から同じ市の3セク「博多港ふ頭」の社長に転出しており、同様の行為を懸念する声が上がっている。

■角原氏は取材拒否
 角原氏を巡っては、博多港開発常務時代の平成26年、市長の私設秘書からパーティー券購入の取りまとめを依頼され、港湾関係の企業・団体で組織される一般社団法人の上層部にパー券販売への協力を求めていたことが発覚。「ケヤキ・庭石事件」の教訓を無視した行為だとして、港湾関係者から批判が出ていた。

 タクシーチケットの私的流用について話を聞くため、「博多港ふ頭」の総務課を通じて角原氏本人に取材を申し入れたが、「博多港開発に聞いてもらいたい」として事実上の取材拒否。博多港開発側に確認したところ、「業務以外で(タクシーチケットを)利用したとは考えていない」としながら「個別の利用が、何の目的だったかまでは把握していない」としている。



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