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玄海町長「本宅」 借金ごと岸本組に売却

底なしの癒着構造

2012年4月10日 09:15

岸本組 九州電力玄海原子力発電所の立地自治体である佐賀県玄海町の岸本英雄町長が、県議時代の平成9年に新築した自宅を、わずか7年後に実弟が社長を務める地場ゼネコン「岸本組」に売却していたことが明らかとなった。
 
 原発マネーを独占する岸本組から、同社保有株を引き取らせる形で資金を得ていた岸本町長だが、不要になった不動産まで買い取らせていたことになる。

 同町長は現在、地元の玄海町ではなく、隣接する唐津市に居住していることがHUNTERの取材によって判明。先月26日に報じていた(参照記事→「玄海町長 じつは唐津市在住」。

借金ごと「岸本組」に売却
 gennpatu 114020076.jpg登記簿によれば、平成6年、佐賀県議会議員だった岸本氏は、本来の自宅から歩いて1分もかからない場所に土地を取得。平成9年に地場銀行から5,300万円を借入れ、木造2階建て(地下1階)の家を新築していた。
(注:黒塗りと赤いアンダーラインはHUNTER編集部)
 
 ところが7年後の平成16年、この土地と家屋を岸本組に売却。岸本組がこの物件を購入した日に借入金は返済され、銀行の抵当権は抹消されている。借金ぐるみで岸本組に不動産を買い取らせた形だ。

 岸本町長と岸本組をめぐっては、電源立地交付金による公共事業や九電グループの発注工事を同社が独占的に受注、同社の大株主である岸本町長に株の売却益の形で資金が還流するシステムが構築されていたことが明らかとなっている(参照記事→「玄海町・原発マネー還流のカラクリ」)。

自宅めぐる杜撰な資産管理
 もともと岸本町長の自宅とされてきたのは、平成22年の玄海町長選挙で2期目を目指していた同町長が町選挙管理委員会に届け出た住所で、玄海町役場から車で1~2分の場所。
 
 gennpatu 11407.jpg写真左側にある古い洋館造りの建物がある敷地内には、「岸本組」所有の後援会事務所2棟も現存しているが、住宅部分も含めほとんど使用されていない(写真参照)。
 
 HUNTERは、後援会事務所2棟が「岸本組」の所有であり、岸本町長側が同社から便宜供与を受けた状態にあることや、633.66㎡に及ぶ同敷地が岸本組の創業者である故・岸本八十吉氏の名義になったままであったことなどから、政治資金規正法上の問題や税法上の疑義があることを指摘してきた(参照記事→「玄海町長に『脱税』疑惑」。

癒着は底なし状態
 岸本町長とファミリー企業「岸本組」との関係については、これまでHUNTERをはじめ多くのメディアで報道されてきたが、新たに分かった自宅売却は、町長がカネに困るたびに岸本組を利用してきたひとつの証左。癒着構造が底なしの状態であることを改めて見せ付けた形だ。

 9日、岸本町長に岸本組への自宅売却額を確認したが、玄海町役場を通じ「プライベートなことなので、お答えすることは差し控えたい」と回答している。



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