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違法な会計処理、常態化の可能性
鳩山二郎議員政治団体に政治資金規正法違反の疑い(下)

2018年1月16日 08:40

hatoyama.png 鳩山二郎衆議院議員の資金管理団体「はとやま二郎後援会」(平成28年12月31日解散)が、平成28年10月に行われた衆議院福岡6区の補欠選挙(10月11日告示、23日投開票)に向けた後援会活動の費用を、政治資金収支報告書に記載していなかったことが分かった(15日既報)。
 後援会活動の支出と、支出に見合う収入が消えた形。政治資金規正法違反(虚偽記載)が疑われる事態だが、HUNTERは補選が実施された平成28年12月にデタラメな資金収支の一端をつかみ、概要を報じていた(⇒「鳩山二郎衆院議員陣営 選挙運動収支に後援会活動費用」)。
(写真左が鳩山二郎議員。同氏のフェイスブックより)

■後援会経費の一部を選挙運動費用として処理
 鳩山邦夫元総務相の急逝にともなう衆議院福岡6区の補選は、平成28年10月11日に告示され、23日に投開票が行われた。当選したのは邦夫氏の次男鳩山二郎氏だったが、これまでのHUNTERの調べで陣営の選挙運動費用収支報告書に「後援会活動」の支出が「選挙運動費用」として計上されていたことが分かっている。

 下は鳩山陣営が県選管に提出した選挙運動費用収支報告書の表紙と選挙事務所費関連の支出を記したページ、その次に示したのがこの支出に該当する領主書だ。8月21日に本部事務所契約金などとして家賃1,831,600円が久留米市内の不動産業者に支払われているが、領収書の記載で仲介料の他に、8月分の日割り家賃、9・10月の家賃が支払われていたことが分かる。

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 当時の取材メモによれば、「はとやま二郎後援会」が後援会の事務所開きを行ったのは8月28日。以後、報告書に記載された「本部事務所」は、告示前日まで同団体の活動拠点となっていた。従って、不動産業者への支出の大半は後援会活動にかかったもの。この期間の賃借料を選挙運動費用として処理するのは間違いである。

 会場使用料にも後援会活動費が紛れ込んでいた。例えば、下に示した赤いアンダーラインの3件の支出。領収書や使用証明に記された会場使用日は、うきは市文化会館(29,680円)が9月29日、ホテルマリターレ創世(53,697円)が10月4日、久留米シティプラザ(10,900円)は10月10日となっている。前述した通り、告示日は10月11日。3件の会場費は、後援会の支出として計上されなければならない。

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 告示前の「決起大会」は、当然後援会活動になる。前出・久留米シティプラザへの支出10,900円は、10月10日に小池百合子都知事を迎えて開かれた集会の会場使用料。来援を告知する看板には、主催が「はとやま二郎後援会」であることが明記されていた(二郎氏のフェイスブック投稿より)。この集会が「選挙運動」だというなら、鳩山陣営は組織的に違法な事前運動を行っていたことになる。

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■違法な会計処理が常態化
 支出の一部が「選挙運動費用」として計上される一方、大川市、大木町、小郡市、うきは市などに設置されていた後援会事務所の運営に関する費用は、はとやま二郎後援会の政治資金収支報告書にも鳩山氏の選挙運動費用収支報告書にも記載されておらず、一切合切が消えた形。すべての収入・支出を報告するよう求めた政治資金規正法や公職選挙法に抵触する状態となっている。法が定めた「会計帳簿」の備え付けを怠っているか、はじめから都合の悪い収入や支出を省いて報告書を作成したかのどちらか。鳩山陣営では、こうした違法な会計処理が常態化していた疑いが濃い。

■取材拒否
 はとやま二郎後援会の会計責任者は、故・鳩山邦夫氏の秘書から二郎氏の秘書に転じた小澤洋介氏。国税庁の幹部に圧力をかけたとされる人物で、補欠選挙の出納責任者でもあった。支出の実態について小澤氏と二郎氏に確認を求めるため、鳩山事務所に文書で質問書を送付していたが、8日間の回答期限を過ぎても回答はなく事実上の取材拒否となっている。



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