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鳩山元総務相の政治団体が借金4億5千万残して解散 脱法行為の疑いも
後継・二郎氏は直後に同名団体設立

2018年1月10日 09:00

9714d1_9223764450194c54a23225089385dfea~mv2.jpg 平成28年6月に亡くなった鳩山邦夫元総務相の資金管理団体が、邦夫氏及び邦夫氏の夫人から借りた約4億5,000万円もの負債を残したまま、同年8月に解散していたことが分かった。巨額の貸し借りは、政治資金規正法が定めた寄附の量的制限から逃れるための脱法的な手法だった疑いがある。
 邦夫氏の後継として同年10月の補欠選挙で初当選した鳩山二郎衆議院議員は、新たに自らの資金管理団体として同じ名称の政治団体を設立しており、借金をチャラにしてカネ集めの組織だけを引き継いだ形。鳩山ファミリーの常識を超えた金銭感覚に、国民の厳しい視線が注がれそうだ。(右の画像は、鳩山二郎後援会のHPより)

■消えた借金「4億5,000万円」 脱法行為の疑いも
 故・邦夫氏の資金管理団体は「新声会」。邦夫氏の死去を受けて、平成28年8月31日に解散していた。下が、解散時に総務省に提出された政治資金資金収支報告書の表紙。邦夫氏の金庫番を務めていた秘書の小澤洋介氏が代表と会計責任者を兼任していたことが分かる。

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 この年、新声会は邦夫氏が支部長だった自由民主党福岡県第六選挙区支部からの寄附や政治資金パーティーなどで約5,300万円を集め、前年からの繰越金約500万円を加えた総収入は約5,850万円。経常経費と政治活動費に約5,800万円を支出し、542,875円を残して解散していた。驚くべきは、返済されずに終わった借入金の額だ。

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 積もり積もった新声会の借入金は、総額4億4,797万6,253円。故・邦夫氏から4億2,000万円、邦夫氏の妻であるエミリー夫人から2,397万6,253円を借入れ、返済しないまま解散していた。エミリー夫人からとなった最後の借入は、邦夫氏死去後の7月15日。夫人による解散を見据えた時期の貸し付けは、初めから“返済”を考えない脱法的な資金提供だった可能性が否定できない。

 政治資金規正法の規定で、政治家の資金管理団体に対する“個人”の寄附は年間1,000万円まで。妻といえどもエミリー夫人も同じ扱いで、新声会への寄附は量的制限を受ける。返済の予定はなくとも、貸し借りなら合法。「形式的な貸し借り」だったとすれば、脱法的な資金提供だった疑いが残る。この点については、亡くなった邦夫氏からの借入金も同様である。

■借金消して団体名だけ継承
 最大の問題は、邦夫氏の地盤を継いだ二郎氏が、本来なら継承すべき借金をチャラにした上で「新声会」という同じ名称の政治団体を設立したことだ。下が、二郎氏が代表となっている新「新声会」が総務省に提出した28年分政治資金収支報告書の表紙。会計責任者には、旧新声会の会計責任者(解散時は代表を兼任)だった秘書の小澤洋介氏が就任していた。

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 政治団体の解散や新設に関係のない一般の支持者から見ると、邦夫氏時代の「新声会」が依然として存在している格好。旧新声会は邦夫氏が健在の頃、政治資金パーティーで年間5,000万~7,000万円前後を集めていたことから、「カネの生る木」を手放したくなかった二郎氏と金庫番の秘書が、借金だけを消して看板を残したと見ることも可能だ。一連の操作は、脱法行為ではないのか――。鳩山事務所を通じて会計責任者の小澤氏に確認を求めたが、出稿までに連絡はなかった。 

 鳩山二郎衆院議員の秘書となった小澤洋介氏については9日、自身が顧問を務めていた会社とその取引先企業の税務調査について国税庁幹部を議員会館の事務所に呼び、事実上の“圧力”を加えていたことが読売新聞のスクープ報道で発覚。国税幹部との面談の際、二郎氏も同席していたことが明らかとなっており波紋が広がっている。鳩山二郎氏の政治資金処理をめぐっては、別の疑惑が浮上しており、今週末を期限に回答を求めているところだ。



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