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これが動かぬ証拠! タクシーチケット私的流用で問われる3セク社長の資格

2017年9月22日 09:15

0-角原氏.jpg 福岡市の第3セクター「博多港開発」の前社長角原孝氏(現・博多港ふ頭社長)に、同社のタクシーチケットを私的流用していた疑いが浮上した。角原氏は取材を拒否しているが、複数の周辺関係者が流用を認めている。(参照記事⇒「福岡市の3セク社長 タクシーチケット私的流用の疑い 」)
 福岡市への情報公開請求で入手したタクシーチケットの写しからは、明らかに業務外と見られるチケット利用が確認される他、社外の第三者にチケットを渡していた疑いも持たれている。
(写真が角原博多港開発前社長。博多港ふ頭HPより)

■私的流用明らか 第3者に渡した疑いも
 下の3枚のタクシーチケットは、平成27年11月13日金曜日に使用されたもの。17時に角原氏の自宅近くである東区「香椎」から乗車し、博多区内の「博多駅」まで。次の乗車は20時で、博多駅から中央区「天神」に。最後は23時37分に天神から「大野城」(大野城市)までタクシーを使っていた。角原氏の自宅は東区で、博多港開発があるのは市内博多区沖浜。どちらも大野城市には何の関係もない。会社の業務でなかったことは確かだ。しかも、3枚目は前掲2枚のチケットとは違う人物の筆跡。同社の人間がチケットを使う場合は「自書」が原則で、飲み会の後、角原氏が社外の第3者にチケットを渡した疑いがある。

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 次は平成28年7月22日金曜日のチケット利用。17時30分に自宅周辺の東区「香椎」から早良区の「室見」へ。20時には室見から東区「舞松原」へと移動。このあとの2枚にはつながりがなく、0時20分に東区「箱崎」から糸島市の「神在」まで。1時10分には東区「土井」から福津市「津屋崎」までのタクシー利用があった。金曜深夜に博多港開発の業務があるはずがない。しかも、糸島市と津屋崎は福岡市を挟んで西と東の真逆の方向。時間経過から見て、3枚めと4枚目のタクシーチケットを使ったのは、別人である可能性が高い。この場合、少なくとも1枚は、角原氏が第3者に渡したものということになる。

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■問われる3セク社長の資格
 博多港開発は、多額の公費投入で倒産を免れた3セクだ。人工島(アイランドシティ:市内東区)の土地売却が進まず協調融資銀行団への返済に窮した同社のため、福岡市が約400億円で同社の埋立権を買い取ったほか、青果市場やこども病院用地を次々に買って経営を支えてきたという経緯がある。同社が購入したケヤキ、庭石を巡り元社長らが特別背任で有罪判決を受けるという事件も起きた。資本総額の51%にあたる32億6,400万円が市の出資。同社は福岡市と一心同体の会社であり、職員は“みなし公務員”なのである。会社の歴史と自分の立場を考えれば、社長といえどもタクシーチケットの私的流用などできるはずがない。

 角原氏は、今年6月から第3セクター「博多港ふ頭」の社長。業者との付き合いが、博多港開発以上に深いと言われる会社だ。問われているのは3セクの社長としての「資格」。タクシーチケットの私的流用が事実なら、もちろん角原氏にその資格はない。



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