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混乱する福岡市政 空港条例案めぐり市長サイドが暴走
関連業者に幹部が圧力?

2017年4月 6日 07:05

20160107_h01-01.jpg 高島宗一郎福岡市長周辺の暴走が、市長の首を絞める結果となっている。
 福岡空港の新運営事業者に出資するか否かで対立が続く、市長と自民党市議団。市議団提出の条例案を葬り去ろうとする市長サイドが、複数の市議やその周辺企業に圧力をかけたことから市議団側が猛反発。自民党関係者が、「次の選挙までに、市長を引きずり降ろす」と公言するような事態となった。
 市長のメンツを優先する市役所と側近たちに、多くの議会関係者から怒りの声が上がっている。(写真は高島福岡市長)
 
■出資を促す条例案、「再議」へ
 福岡空港の民間委託で設立される新運営事業者への出資を巡り、対立を深める市長と自民党市議団。「出資しない」と頑張る市長に対し、市議団側は先ず、出資しないことを前提とした執行部の条例案を否決した。新たに自民側が出した出資を促す条例案が可決されたが、今度は市長が3分の2の賛成を必要とする「再議」を提起。市民不在のまま、市政は混沌とした情勢になっている。

 市議会の定数は62。3分の2を制するには42人の賛成が必要だ。逆に言うと、市長派が21人になれば、いったん可決された出資を前提とする条例案は否決されてしまう。議会の構成はどうなっているのか――5日時点の市議会各派の内訳を確認してみると、次のようになる。

1-会派.png1-会派2.png

■なりふり構わぬ市長サイドの切り崩し

 今月4日に市長派が1人抜けて、自民党市議団は16人。これに民進党系の福岡市民クラブ9人、共産党市議団7人を合わせて32人となる。維新3、無所属4を加えても39人にしかならず、市長派は最低でも21人。出資を促す条例案を通すのに必要な3分の2は難しい状況となっている。多数派工作が続く中、ここに来て市長周辺がとんでもない暴走をし始めた。市幹部や市長の側近たちが、自民党市議本人や後援会関係者に露骨な圧力をかけたというのである。 

 議会関係者によれば、ある市議の後援会会長は九州電力グループに属する電気設備工事会社「九電工」の元幹部だったが、市長側の圧力で後援会長を辞任。別の議員は、同じく九電工と関係の深い電気工事業会社から顧問契約を打ち切られたという。他にも、複数の議員が市長側近から直接的な圧力を受けたという話が出ている。問題は、圧力をかけている市長側近の中に、市の幹部職員が含まれていること。仕事を発注する側の役所の幹部が、立場を利用して業者に圧力をかけたとすれば、明らかに“事件”。特に九電工と市長との関係は深く、2015年の福岡市長選挙で同社の現役課長が、市長陣営の「選対」に参加していたことが分かっている。(参照記事⇒「癒着の証明(1) ― 福岡市長と九電工 ― 」)

 ある市議会議員は、次の様に話している。
「市の幹部を使って業者や市議の関係者に圧力をかけるなど、事実なら明らかに常軌を逸している。議場で議論し、結論を出すのが民主主義ではないのか。このやり方は不正だ。圧力を受けた議員は、逆に闘志を燃やしているのが実情で、市長との関係はますます悪くなる一方。来年の市長選で、自民党市議団が高島支援で動くことはなくなった」

 市長を支えているのは、一部の仲良しグループと公明党のみ。街の未来より市長のメンツを優先する連中に、市政を語る資格などあるまい。



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