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鹿児島・南大隅町で疑惑新展開

2017年3月27日 08:30

もりた.jpg 核ゴミ処分場を巡る疑惑で揺れ続けてきた鹿児島県肝属郡南大隅町。疑惑の中心にいたのは森田俊彦町長である。平成25年には、電力業界と深いつながりのある会社社長あてに核関連施設誘致についての委任状を書いていたことや、会社社長からモーターボートを譲り受けていたことが発覚。町内外から辞任を求める声が上がったが、議会の不作為もあって現在も町政トップの座に居座り続けている。
 森田氏を追って4年。HUNTER取材陣は、今年に入ってモーターボート譲渡の真相を確認して報道(参照記事⇒≪核ゴミ疑惑の南大隅町長 モーターボートの「嘘」明らかに ≫。さらに、森田氏が疑惑発覚後についたもう一つの大きな「嘘」について、追跡取材を行ってきた。掴んだのは、驚愕の事実。取材結果を突きつけられた町長は……。

■居座った疑惑の町長
 始まりは、平成25年2月に発覚した町長のモーターボート疑惑だった。森田氏が、同町内に放射性廃棄物(核ゴミ)の処分場を整備しようと動いていた会社社長からモーターボートを貰い受け、その前後に処分場に関する委任状を書いたというもの。収賄を疑ったHUNTERの取材に対し森田氏は当初、「委任状など書いたことはない」とした上で町長就任後は会社社長と会っておらず、モーターボートは“知人への貸金のカタ”にもらったものだと説明していた。

 ところが、森田氏の主張はすべて「嘘」。その後の追及で「モーターボートは会社社長から15万円で買った。領収書もある」に変わり、会社社長との付き合いも認めることに――。TBSテレビの報道番組で会社社長に宛てて書かれた委任状の存在まで暴かれたあげく、今年に入って会社社長から買い取ったとしていたモーターボートが、じつは「無償」で譲り受けたものだったことが明らかとなっている。他にも「嘘」があったのではないか――。HUNTERは、これまでの議会答弁などを精査し、追跡取材を続けていた。

■町議会で否定した「接待」
 平成25年3月に開かれた鹿児島県南大隅町議会。森田町長は、会社社長側からの「接待」について聞かれ、次のように答えていた。

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 会社社長側からの接待を完全否定。このあと、役場職員が受けた接待がらみの答弁の中で、町長はこうも話している。
 
1-議会2.jpg

 接待を、「いけない事」「社会通念上よろしくない事」「あってはならん事」と何度も断罪。「私はまだそういう接待等受けた覚えがございません」と言い切っていた。それまで、「嘘」と「ごまかし」で世渡りをしてきた町長の言葉だけに、にわかには信じがたい。森田氏の町長就任後、処分場絡みの接待は本当になかったのか――。この一点に絞って、取材を続けた。

■文書取材に前代未聞の「受取拒絶」 その裏には……
 掴んだのは、接待を巡る驚愕の事実。今月21日、森田町長に認否確認と見解を求めるため関連資料を添えて質問書を送ったが、翌日、町長は配達証明郵便の封を開けずに質問書を送り返してきた(下が、返送されてきた封筒)。

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 返送の理由は「受取拒絶」。異常な対応というしかない。封筒の表には「取材質問書在中」と明記しており、取材であることは分かっているはず。それを、内容も確認せずに「受取拒絶」では、事実上の取材拒否だ。取材を受けられない理由があるとしか思えない。念のため、南大隅町役場にも質問書を送付しており、こちらは職員から町長に手渡されたことを確認済み。23日には、町長の携帯に電話を入れ、直接取材結果を説明している。「受取拒絶」というわけにはいかず、「聞いていない」は通用しない状況だ。接待はあったのか、なかったのか。あったとする証言や証拠があるとすれば、町長はどう反論するのか――。いずれハッキリさせる時が来るが、町長を巡る疑惑が新たな展開を見せるのは確かとなっている。



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