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核ゴミ疑惑の南大隅町長 モーターボートの「嘘」明らかに

2017年2月 7日 09:05

もりた.jpg 嘘つき政治家の“嘘”が、また一つ暴かれた。鹿児島県肝属郡南大隅町の森田俊彦町長が、東京電力と関係の深い会社社長から買い取ったとしていたモーターボートが、じつは「無償」で譲り受けたものだったことが明らかとなった。町長が公表したモーターボートの領収書は、事件化を恐れた町長の依頼で元の所有者である会社社長が作成したもの。現金の動きはなく、町民や報道を欺くための弥縫策だった。
 一連の経緯について、会社社長が事実関係を認めており、森田氏の責任を問う声が上がりそうだ。

■核ゴミ疑惑、発端はモーターボート
20130228_h01-02-thumb-280x193-6494.jpg 平成25年2月に発覚した町長のモーターボート疑惑は、町長が、同町内に放射性廃棄物(核ゴミ)の処分場を整備しようと動いていた東京電力と関係の深い会社社長からモーターボートを貰い受け、その前後に処分場に関する委任状を書いたというもの。森田氏が会社社長から接待を受けたという話もあった。(右が問題のモーターボート)

 HUNTERの取材に対し、町長は当初一切の疑惑を否定。委任状など書いたことはないとした上で、町長就任後は会社社長と会っておらず、モーターボートは“知人への貸金のカタ”にもらったものだとしていた。

嘘で守った町長の椅子
 数日後、小型船舶登録法により20トン未満の船舶が登録される「日本小型船舶検査機構」で入手した登録事項証明書(下がその証明書)から、問題のモーターボートの所有者が、平成22年に会社社長から森田町長に変更されていたことが判明。町長室でHUNTERの記者に追及された森田氏は虚偽説明を認め、会社社長から「15万円」で買ったと説明していた。この時、会社社長と頻繁に会っていたことも分かっている。

20130301_h01-02.JPG

 「知人への借金のカタ」は嘘、「会っていない」も嘘、「核ゴミ処分場は造らせない」も嘘。テレビのニュース番組で会社社長に対して書かれた委任状の存在も暴かれ、森田氏は「疑惑の町長」「嘘つき町長」として、全国に存在を知られるようになっていた。森田氏が守りたかったのは町民ではなく、“町長の椅子”である。それまでの動きをまとめた。

1-南大隅推移.png ■疑惑再燃
 その後、数年かけた取材でモーターボートが有償ではなく「無償」だった疑いが浮上。関係者の証言から、「15万円」という譲渡金額が虚偽で、町長が公言したモーターターボート代金の領収証が、じつは町長が会社社長に依頼して作成された町民や報道を欺くための道具だったことが明らかとなった。

 モーターボートの元の持ち主である会社社長に確認を求めたところ、電話取材に応じた同社長は「町長の発言は嘘。モーターボートは、ただで(森田氏に)譲ったものだ。『取材が入って、知人への借金のカタと言ってしまったので、話を合わせてほしい』と頼んできたので、断った。『せめて、売り買いという形にして、領収書を書いてもらいたい』と言うので、やむなく15万円を振り込むように伝え領収書を渡したが、15万円は振り込まれてこなかった。1円ももらっていない。モーターボートは、身内に使わせていたので、自分の名義になったままとは思いもよらなかった」と話している。会社社長によれば、モーターボートは元々、ある有名歌手の持ち物だったという。モーターボートに関する証言は、次のように推移したことになる。

syougen2.jpg 町長の公印を捺した核ゴミ処分場に関する委任状が存在した以上、時期によっては、贈収賄に発展した可能性があるモーターボートのやり取り。森田町長の嘘は、極めて悪質なものであったと言わざるを得ない。
 
 6日、再燃したモーターボート疑惑について森田町長に文書で見解を求めたが、出稿までに回答はなかった。



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