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死んだ大川市の議会制民主主義

2016年9月15日 08:50

1472739190603444.jpg 福岡県大川市の市議会が、衆院福岡6区の補欠選挙(10月11日告示、23日投開票)に出馬するため辞職した鳩山二郎前大川市長の事前運動を助けるため9月定例会を大幅に短縮していた問題で、前市長周辺が、早い時期から市議会の日程短縮を見越して動いていたことが分かった。
 議会と市長周辺がグルになって選挙を優先した証拠ともいえ、議会制民主主義を否定した格好の市議会と鳩山氏に批判の声が高まりそうだ。(写真は大川市役所)
(参照記事⇒「議会制民主主義の否定! 大川市議会、鳩山支援で会期短縮 」)

会期短縮、鳩山氏周辺は前月から承知
 大川市議会の9月定例会は毎年19日間。平成21年から27年までの7年間も、23年の18日間を除きすべて19日間の会期だった。それが今年は9月5日から9日までの5日間。日程をはしょったのが“選挙”のためであることを、古賀龍彦大川市議会議長も認めている。

 前市長周辺が早い時期から議会日程の短縮を見越していたことは、同市への情報公開請求で入手した市長・副市長の月間行事予定表によって明らかとなった。下が9月の行事予定表(クリックで拡大。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)。議会のスケジュールを「(仮)」として記入していたことが分かる。仮の日程とはいえ、会期は例年より2日少ない17日間だ。

1-大川日程.jpeg

 大川市の秘書課によると、通常、同課が市長・副市長の行事予定表を作成するのは当該月の中旬以降だという。上掲の9月行事予定は、8月中に組まれていたことになる。

 一方、大川市議会が会期日程の大幅短縮を決めたのは、9月1日の議会運営員会でのこと。市長周辺は、それ以前に会期短縮を想定していた可能性が高い。9月の行事予定表が異例の形だったことは、次に示す6月の行事予定表からも明らかだ。

2-大川日程.jpeg

 同市秘書課の説明が事実なら、この6月行事予定が作成されたのは5月中旬以降。6月議会に関係する日程には、「(仮)」という表示はない。会期は12日間。調べたところ、平成21年から今年までの8年間、まったく同じ会期だった。21年から27年までの9月議会同様、大川市議会の会期が大きく変わったというケースは皆無。9月議会を例年通りに開催するつもりなら、8月の時点で「(仮)」という表記を付けることはあり得なかった。市長周辺が、早くから議会日程の短縮を知っていた証拠。鳩山前市長が、議会側と示し合わせて日程の短縮を図った可能性が高い。

 大川市民の暮らしや未来について議論する場が議会。鳩山氏が市民のことを真剣に考えるなら、大川市にとって最も大切な「議会」をはしょるという愚行は、絶対に止めるべきだった。それが、ぐるになっての会期短縮。議会制民主主義を否定した市議会とそれを容認した前市長には、政治や地方自治を語る資格はあるまい。



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