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福岡・高島市政を象徴する二つの実行委方式事業

2013年5月24日 10:30

 福岡市への情報公開請求によって、「実行委員会方式」による事業に、毎年9~12億円もの税金が使われていることが分かった(参照記事⇒「不正の温床 実行委員会方式事業に年間10億円」)。
 同方式の事業をめぐってはこれまで、贈収賄事件にまで発展した「ロボスクエア」や杜撰な経理が慣例化していた「福岡アジア文化賞」などで、多くの課題が提起されてきた。いずれも責任の所在が曖昧な事業形態が招く、経理処理の不透明さに原因があったのだが、市全体で改善策が検討された形跡はない。
 それどころか、今年4月に報じた同方式による「アイランドシティこどもっと!だいがく」や「中高生夢チャレンジ大学」では、帳簿・領収書の不備、一般常識を超えた高額な職員報酬などの実態が判明しており、一部の民間企業やNPO法人に税金が食い物にされたも同然の状況だ。
 実行委員会方式の事業についてさらに検証を進める中、高島市政の在り方を象徴するような二つの事業の存在が浮上した。

実行委方式事業に今年度も10億円超
・20年度(149件)・・・ 8億8,644万円
・21年度(160件)・・・ 9億336万円
・22年度(173件)・・・10億2,044万円
・23年度(169件)・・・10億69万円
・24年度(187件)・・・11億6,290万円
・25年度(164件)・・・10億3,065万円

 年度ごとの実行委員会方式による事業件数と公費支出額をまとめてみると、投入される税金が減るどころか増加傾向にあったことが分かる。高島宗一郎市長の就任後の25年度は、件数こそ減ったものの全体では10億円以上の支出が続いており、1件あたりの支出額が大きな事業が増えている状況がうかがえる。

 下の表は、平成25年度に実施予定の実行委員会方式事業の名称と、支出予定額だが、単年度限定のイベントから継続実施のものまで様々だ。

実行委員会方式の事業25年度分(分割)

高島市政を象徴する二つの事業
 この中で注目したのは、高島市政発足後の平成24年度から実施されている「クリエイティブ福岡推進協議会」と「アイランドシティ・アーバンデザイン協議会事業」である。

 「クリエイティブ福岡推進協議会」のホームページの記述によれば、同協議会の通称は「Creative Lab Fukuoka(クリエイティブ・ラボ・フクオカ)」。《ゲーム・アニメ・映画・音楽・ファッション・デザインなどのクリエイティブ関連企業において、異業種間の交流・連携を通じ、ビジネスの拡大、各業界の垣根を越えた新しいビジネスの創出、国内・海外からの企業進出を促進するなど、クリエイティブ産業を牽引し、地域経済の発展を目指しています》とある。

 また、《産業振興はもとより、イベントを核とした福岡からの情報発信によって、「福岡といえば、若い人材が豊富なクリエイティブなまち」というブランドの確立を目指し、若いクリエーターが自由に活躍できる街づくりを推進して行きます》、とも書かれている。

 いかにも派手好きな高島市長が飛びつきそうな内容だが、要はイベント開催の拡大を狙った組織を立ち上げ、そこに「産官学」という隠れ蓑をまとわせただけのことだ。
 この事業で福岡市が負担するのは約3,000万円。なぜか事務局長をRKB毎日放送の社員が務めており、事務局も同社の中。前出の「アイランドシティこどもっと!だいがく」や「中高生夢チャレンジ大学」同様、特定企業や一部の人間達との癒着が疑われる事業形態なのだ。

鹿児島 167.jpg 一方、「アイランドシティ・アーバンデザイン協議会事業」はさらに不可解なものだった。

 昨年10月から始まったこの事業は、《行政、企業、大学、住民など多様な主体がアイランドシティの魅力あるまちづくりを推進することを目的とした活動拠点》(アイランドシティの情報サイト「照葉.NET」より)である『アイランドシティ・アーバンデザインセンター(UDCI)』の運営を目的としており、昨年度は約1,200万円、今年度は2,000万円の負担金を市が支出する予定だ。
 問題は、同協議会の実行委員会が、予算の大半を丸投げする形で実務を特定の企業に任せていることである。

 アイランドシティ・アーバンデザインセンターの運営業務を行っているのは「株式会社 産学連携機構九州」。同社は、九州大学の技術移転に関わる様々な事業を行う目的で平成12年に設立され、20年には九州大学の100%出資による特定関連会社となっており、本社所在地は市内東区箱崎の九大の中。つまり“九大の会社”なのである。

 現状を確認するためアイランドシティのビルの1階にあるという「アイランドシティ・アーバンデザインセンター」を取材したが、疑問が膨らむ結果となった。その詳細は次稿で・・・・・。



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