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不正の温床 実行委員会方式事業に年間10億円 ― 福岡市 ―

2013年5月16日 08:55

 福岡市が行っている実行委員会方式による事業の件数と支出額を調べた結果、毎年、約150~190件の事業が同方式で実施され、9~12億円近くの税金が費消されていることが分かった。福岡市への情報公開請求によって入手した平成20年度から25年度までの資料によれば、6年間で延べ1,002件、総額およそ60億円が同方式の事業に投入されていたことになる。
 実行委員会方式の事業をめぐっては、帳簿や領収書さえ揃わないという不適切な経理処理や、一般常識を超えた高額な職員報酬などの実態が明らかとなっており、こうした公費支出にそぐわぬ事業形態を放置したまま、新規事業を次々と立ち上げている状況が浮き彫りとなった。

年平均10億円
 HUNTERは先月、実行委員会方式による事業に改めて注目、福岡市に対し平成20年度から25年度までの同方式による事業の名称と、それぞれの支出額が分かる文書を情報公開請求した。開示された文書から、年度ごとに事業件数と支出額をまとめると、次のような結果となる。

20年度(149件)・・・ 886,443,279円
21年度(160件)・・・ 903,357,278円
22年度(173件)・・・1,020,444,008円
23年度(169件)・・・1,000,692,286円
24年度(187件)・・・1,162,900,095円
25年度(164件)・・・1,030,648,349円(予定金額)

 6年間で約60億円。少ない年度で149件、最も増えた年度では187件の事業が実行委員会方式によって実施され、年平均10億円もの税金が使われていた。
 
 HUNTERでは、市と西日本新聞が実行委員会を組織して実施している「アイランドシティこどもっと!だいがく」や、両者にNPO法人などを加えた形の「中高生夢チャレンジ大学」における不適切な経理処理の実態について報じてきた。いずれの事業も会計帳簿はなく、領収書の保存も不十分といった杜撰な処理を行っている上、「時給4,800円」・「時給3,500円」といった法外な報酬を支払っていたことも分かっている。事業の内容は別として、新聞社と怪しげなNPO法人の食い扶持を提供した形。公費支出の在り方としては不適切というしかない。

 福岡市が行ってきた実行委員会方式の事業をめぐっては、同じく不適切な経理処理が問題となった「福岡アジア文化賞」、贈収賄の舞台となった「ロボスクエア」など、問題を引き起こしたケースが少なくない。いずれも杜撰な経理が問題化の原因だったが、肝心の事業形態の見直しは行われておらず、野放し状態となったままだ。
 
 下は、HUNTERが入手し、時系列的にまとめた実行委員会方式の事業の全てである(平成20年度~25年度)。

実行委員会方式の事業(分割)

 詳細については次稿で報じるが、有意義であると思われる事業から、まったく無駄としか言いようのない事業まで様々。安易に実行委員会を作っては公費を投じるという状況が続いていることは間違いない。
 



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