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闇報酬発覚! 自民・福岡4区支部長との一問一答

2012年11月15日 08:55

 建設会社から“闇報酬”を得ていたことが発覚した「自由民主党福岡県第4選挙区支部」の支部長・宮内秀樹氏(50)。自民党選挙区支部の支部長といえば、16日解散予定の総選挙における事実上の公認候補であるが、政・官・業癒着の象徴とも言える事実を前に、政治家としての資格が問われているのは言うまでもない。
 今月9日にHUNTERの取材を受けた宮内氏は、当初闇報酬について否定しながら、最終的には認めるという失態を演じてしまっていた。
 衆院福岡4区内のホテルのロビーにおける同氏とのやり取り(9日)の概要を紹介し、問題点を整理する。
(参照記事⇒「自民・福岡4区支部長がひた隠す建設会社からの闇報酬」)

闇報酬 当初は否定
 宮内氏への直接取材を開始したのは先週はじめ。電話によるアポイントの取り付けからだったが、この折、ホームページに記された経歴に漏れがないかを確認していた。
 ホームページに記された経歴の他に漏れはないかと尋ねた記者に、「ありませんよ」と答えた宮内氏だったが、会社勤務の時期があったのではないかと重ねて聞かれ、「まぁ、渡辺先生のところにお世話になる前に、ほんの短い期間ですが、会社勤めしてますがね」と回答していた。
 記者が会社名まで伝えたため、一瞬たじろいだ様子だったが、“ほかには?”との問いかけには「ありません」と明快に答えていた。
 同氏は、この段階で嘘をついていたことになる。

 そして9日午後、指定された福岡4区内にあるホテルのロビーで、宮内氏と記者が向かい合った。以下、同氏との一問一答である。

 記者:ここに宮内さんのホームページ上の経歴がある。間違いないか。
 宮内:電話でお話ししたように、渡辺先生(具能・前衆院議員)のところでお世話になる前、半年くらいは建設会社にいましたが。

 記者:なぜ経歴に入れないのか?
 宮内:政治的な経歴だけで十分のはずですから。

 記者:建設会社から報酬をもらっていたのはその1件だけか?
 宮内:それだけです。

 記者:違うのではないか。ほかにあるのではないか?
 宮内:いやいや。ないない。ないですよ。回りくどいですね。

 記者:それなら、単刀直入に聞く。ほかに2社から報酬をもらっていたはずだ。
 宮内:いや~・・・・・。

 記者:堀を埋めてから取材に来ている。本当のことを話してもらえないか。最近まで報酬をもらっていたことが分かっている。
 宮内:それは、顧問ですから・・・。このあいだまでだったですが。

 記者:顧問でも正社員でも同じ。報酬をもらっていたことは事実ではないか。もっと正確に言うが、平成21年の解散・総選挙以後今年の9月まで、3年間だ。
 宮内:それくらいになりますかね。

 記者:もう1社ある。
 宮内:ほかにはないですよ。

 記者:平成21年の夏から参議院選挙(22年)までの期間。A社(大手マリコン)の下請企業から。
 宮内:A社ではないです。

 記者:やっぱりもらっているではないか。
 宮内:短い間ですから。

 記者:国交省が世話したという証言があるが?
 宮内:国交省は関係ない。ない、ない。それはない。

 記者:保険はどうしていたか?
 宮内:今は国民保険ですよ。

 記者:今がどうかではない。9月までは社会保険ではないか?
 宮内:そうだったですね。

 記者:平成21年からの2社については、勤務実態がなかったことが分かっている。たまに顔を出す程度だったと聞いているが?
 宮内:会社には時々、顔をを出してましたから。

 記者:マスコミの調査表にも、建設会社のことは記入していないのではないか?
 宮内:そうだと思います。

 記者:なぜ建設会社勤務について記入しないのか?
 宮内: ・・・・・・・。

 記者:隠したい気持ちは理解するが、ルール違反だ。政策うんぬんの前に、経歴をごまかすのは良くない。
 宮内:分かります。

 記者:最後に、宮内さんの主張なり、言い分なり、言い訳なりがあれば、きちんと書くが?
 宮内:いや、何もありません・・・。

 宮内氏は当初、ネットメディアの取材程度と侮っていたのかもしれない。最初は闇報酬について否定しておきながら、報酬受け取りの期間や保険のことなど、取材でつかんだ具体的な事実を突きつけられて、最終的には認めざるを得なかったというところだ。顧問であれ、正社員であれ、報酬をもらっていたことは紛れもない事実だ。

 国交省による口利きについては否定する姿勢を見せたが、表に出せない報酬をもらっていたことについては全面的に認めている。

  • 勤務実態がなかった。
  • 建設業界との密接な関係を、意図的に隠した。

 この2点について、言い逃れできない状況にあることは間違いない。

問われる政治家としての資格
 HUNTERの配信記事(14日)を読んだという福岡4区の有権者からは、厳しい批判の声が上がっている。
「経歴詐称まがいの話だ。本人(宮内氏)の話を聞いたことがあるが、議員秘書だったことばかり強調しており、建設会社勤務なんてこれっぽっちも言っていなかった。てっきり渡辺さん(具能・前衆院議員)から給料をもらっているとばかり思っていた。違っていたとしたら問題だ。隠したとすれば、その時点でアウトだろうが・・・」(宗像市在住・50代男性)。

「がっかりしました。記事が本当なら裏切られた思い。『なんだ、あなたもか』という感じ。やっぱり自民党は業者と癒着しているんですね」(古賀市在住・40代主婦)。 

 こうした声を、宮内氏がどう受け止めるのかだが、自民党の選挙区支部は、政党交付金の受け皿であり、交付金の原資は言うまでもなく税金。選挙の執行にも莫大な税金が費消されるうえ、当選した議員がもらう歳費などもすべて税金だ。選挙区支部長には党本部から別の支給もあるはずで、そうした意味では立派な“公人”なのである。

 闇報酬の存在が明らかになった以上、宮内氏は選挙前に事実関係を明らかにする責任があるのではないだろうか。問われているのは、氏の政治家としての資格なのである。
                                                    


【「政治とカネ」―HUNTERの報道姿勢について】
 大手メディアは、選挙が近づくと自主規制し、立候補予定者の不適切な行為についての報道を見送る。選挙結果に影響を与えるからだというが、これは間違いである。
 有権者に判断材料を提供するのは報道の使命であり、そうした観点からも今回の宮内氏のケースを見過ごすことはできないと考え、報道に至った。
 今後も、与野党議員の「政治とカネ」の問題について、複数の記事配信を予定している。



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