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県警OB再雇用 福岡市で突出
顕在化する高島市政の歪み

2012年6月14日 09:40

 福岡県警OBの再雇用の数が、福岡市役所に限って突出している実態が浮き彫りとなった。

 HUNTERが福岡県に確認したところ、県が嘱託職員として採用している県警OBは35名。人件費の総計は約1億円だった。先に分かった福岡市における72名、約2億円のほぼ半数でしかない(記事参照→)。今年度から再雇用者の数を8名も増やした福岡市だが、県は逆に2名減となっている。

 特定の行政機関に大量の再雇用が行われていることに対し、県、市、それぞれの関係者から問題視する声が上がっている。
(写真は福岡市役所)

県の再雇用は福岡市の半数
 下の文書左側が、HUNTERの確認に応じて福岡県が開示した県警OBの採用状況、右が福岡市のものである。
 県では、環境部を除く各部に1~7名程度の嘱託職員を抱えており、人数に大きな変動はない。
 環境部で再雇用者が19名と多いのは、産業廃棄物の不法投棄などに対応するため、警察官として培った能力を生かしてもらっているためだという。暴力団の影がちらつく事案が多いことや、広大な県の面積を考えれば適正な配置と言えそうだ。

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 一方、福岡市では今年度から暴追運動の強化などに対応するため、市民局内に「生活安全部」を新設。県警OB5名を嘱託で同部内の生活安全課に採用するなどしたため、一気に8名も増える形となっている。それにしても福岡市の72名、人件費2億円という数字は異常だ。

"市政の歪み"指摘する声
 あたかも福岡市が県警の天下り先に指定されているかのような状況だが、県関係者からは厳しい意見が聞こえてくる。「高島市長は、パフォーマンスに走るあまり、足もとが見えていないのではないか。観光客を呼び込んでも、市民の暮らしが良くならなければ都市の魅力は発揮できない。若者の就職難、リストラ、再就職の困難という現実が理解できていないのだろう。市の県警OB再雇用状況を見ると、県警OBだけを優遇しているとしか思えないし、市民感情を無視した実態だ」(県議会関係者)。

 別の県関係者は、県が県警OBを副知事などの幹部に登用すりことはないとした上で、次のように話す。「問題は副市長に県警OBを就任させたことだ。わざわざ高い給料の副市長を1名増員させる必要はなかった。安心・安全を図るためと言うのなら、県警と密に連携すれば済む話だろう。肝心の副市長の人選について、高島市長が県警側と十分に打ち合わせたという話も聞いたことがない。誰かが進言しての人事だろうが、不透明極まりない。言うまでもなく治安は警察の仕事だ。市役所と県警の仕事は厳然と区別されるべきで、混同してはいけない。市役所の中に警察の出先を作る必要などない」。

 批判の声は福岡市内部からも上がっている。「県警OBが72人も天下って来てるなんて知らなかった。人件費2億円にも驚いた。市長が知らないはずはないけど、やり過ぎですよね。市民感情が許さない。市役所内でも違和感を感じるのは私だけではないですよ。市長が外部の指南役の言いなりになってる証拠ですね。聞くべきは市民の声。市民の声を聞かない市長さんには2期目はないでしょうね」。

 人工島での体育館建設、市役所改装、2階建てバス、市の外れにゲートボール場建設・・・。高島市長の就任以来、無駄な公共事業ばかりが増え続けており、「異常事態」(市議会関係者の感想)を危惧する向きもある。
 度を越えた県警OBの再雇用状況も、市政の歪みが顕在化した一つの事例と捉えるべきだろう。



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