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天下り法人へ日当6万7,500円
総務省業務委託の実態
これでも「増税」認めますか?(2)

2012年6月12日 09:25

総務省がある中央合同庁舎2号館 天下り法人に1冊38万円相当の成果物を作らせていた総務省の業務委託をめぐって、税金を食い物にした法外な日当の存在が明らかとなった。

 1日6万7,500円。消費増税を急ぐ野田政権だが、この日当の金額を見ても増税が先だと言うのだろうか。

(写真は総務省がある中央合同庁舎2号館)

高額日当が常態化
 HUNTERが入手した総務省の天下り法人に対する業務委託の関連文書は、平成17年度から21年度までのものだ。毎年度70件から100件に上る調査・研究などの業務を、同省所管の天下り法人に委託していた。注目したのは、業務委託ごとに設定された人件費である。

 下の文書は、平成20年度に総務省が前稿(→記事参照)で取り上げた同省の天下り法人「財団法人マルチメディア振興センター」(当時。現在は一般財団法人)に業務委託した「我が国の情報通信技術の海外市場への展開に関する調査研究等」における見積り書である(赤いアンダーラインはHUNTER)。

 6万7,500円、5万6,400円といった金額は、すべて「日当」にあたる。会議の運営補助にかかる人件費でさえ、1日あたり5万3,700円という驚きの金額だ。

「我が国の情報通信技術の海外市場への展開に関する調査研究等」見積書

 霞ヶ関官僚や天下り法人の人間たちは、金銭感覚がまるで違っているらしく、他のどの業務委託でも「日当」は4万円台から6万円台が計上されていた。原資はすべて税金である。

 マルチメディア振興センターに対する業務委託からいくつかの例を拾ってみた。契約名、契約金額、主たる日当の順である。

「アジア・太平洋における電気通信の標準化に関する調査研究」(平成17年度)→509万2,500円
・部長研究員5万9,114円/日
・主任研究員4万4,743円/日

「アジア・太平洋における電気通信の標準化に関する調査研究」(平成18年度)→491万4,000円
・部長研究員6万2,070円/日
・主任研究員4万6,980円/日

「アジア・太平洋における電波利用料制度等に関する調査研究」(平成19年度)→2,999万円
・主任研究員6万7,500円/日
・副主任研究員5万6,400円/日

「諸外国等における無線設備に係る技術審査等に関する調査」(平成20年度)→1,785万円
・部長等研究員6万2,070円/日
・主任研究員4万6,980円/日

「インド共和国における新たな通信サービスの動向等に係る調査研究」(平成20年度)→249万9,000円
・研究主幹・主席研究員6万7,500円/日
・副主任研究員・上席研究員5万6,400円/日

「我が国の情報通信技術の海外市場への展開に関する調査研究等」(平成20年度)→997万5,000円
・研究主幹・主席研究員6万7,500円/日
・副主席・上席研究員5万6,400円/日

 総務省が平成21年度にマルチメディア振興センターに業務委託した「諸外国における通信・放送・電波利用情報の収集・分析・公開事務等」では、成果物として「諸外国情報通信便覧」(1冊あたり38万2,200円)が納品されていたが、この時の「副主席・上席研究員」に対する日当が5万6,400円、「研究員」には5万3,700円が計上されていた。

 次稿で、総務省の業務委託について詳しく検証するが、「主要国情報通信便覧」(平成20年度版。1冊あたり27万900円)、「諸外国情報通信便覧」(平成20年度版。1冊あたり19万3,200円)といった情報通信便覧シリーズで明らかとなっているように、データの使い回しという詐欺的手法を用いるなど、手口は稚拙。とても常態化した高額な日当に見合う仕事ではないことを明言しておく。

 増税の前にやるべきことがあるのは事実だ。


つづく



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