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議員会館駐車場が示すこの国の現実
これでも「増税」認めますか?(3)

2012年7月 9日 09:55

議員会館 消費増税という形で失政のツケを国民に押し付けようとしている永田町。増税推進派の議員たちは、「国のカネが足りない」というが、そうした現状を招いたのが自分たちであることに何の痛痒も感じていない。
 政治ごっこにうつつを抜かし、自分達の足もとの無駄遣いさえ是正してこなかったのである。

 国会議員の事務所がある「議員会館」の浪費については、これまでも度々報じてきたが、つい先日、併設された豪華駐車場が完成した。
 実情をのぞいて見ると、政治家の主張がいかに身勝手なものであるかよく分かる。

無駄の象徴―議員会館
 国会議事堂の裏には、首相官邸側から順に、衆議院第一議員会館、衆議院第二議員会館、参議院議員会館の3棟の建物がそびえ立つ(冒頭の写真)。

 平成19年から建替えが始まり、21年から現在の議員会館が供用を開始したが、衆・参3棟の建設費はなんと約1,700億円。議員室は旧議員会館の約2.5倍となっており、各棟ごとにコンビニやコーヒーショップ、レストラン、会議室、スポーツ施設から保育所まで備えた豪華施設だ。

 蛇口をひねるとお湯が出るように設定された会館内トイレの洗面台と使い放題のペーパータオル、広大なエントランススペースやパーティー用の厨房を持つ「多目的会議室」・・・。まるで高級ホテル並みだ。
 各事務所に貸与してあるパソコン3台もすべて新品に入れ替え替えられており、衆院だけで約1,500台のパソコンを購入。これだけでも億単位の税金が費消されている。
 政治の劣化が進めば進むほど、待遇だけが反比例して上がるという、じつに滑稽な現実がそこに在る。

駐車場はガラガラ
 問題の駐車場だが、地上に加え地下3階まであり、衆院第一、第二の両会館を合わせると約720台、参院まで入れると1000台前後の収容能力があるという。
 設備も立派で、4台分の急速充電用駐車場、6台分の普通充電用駐車場が用意されている。さらに、地下2階と3階には、これまでなかった第一議員会館と第二議員会館をつなぐ連絡通路も用意された。

 至れり尽くせりの待遇だが、利用率たるや惨憺たる状況だ。下は、地上部分と地下の写真だが、ご覧のとおりガラガラ。利用率は3割にも満たない。

ガラガラの地上駐車場  ガラガラの地下駐車場

 地上部分は主として国会議員の車や公用車の待機用として使われるが、一般の来館者用に供されるのは衆・参合わせて地上の約100台分あまりに過ぎない。
 国会の定数は衆院が480名、参院は242名。計722名もの"先生"が居るわけだが、当選回数の少ない議員が増えたため、東京で車を所有するケースは減っているのだという。
 秘書や国会職員は圧倒的に電車通勤が多く、マイカー利用者は少数。つまり、政治家や秘書、国会職員、来客用を合わせても、これほどの巨大駐車場は必要なかったということだ。

無駄の象徴
 自民党政権時代に決められた事業とはいえ、暴走を止めなかった国会議員の責任は重い。
 ある国会関係者は次のように話す。「旧議員会館の駐車スペースはガラガラの時が多かった。ガソリン代の高騰などでさらに自家用車利用が減っているというのに、計画変更の議論さえ起こらなかった。走り出したら止まらない公共事業の典型ですよ。(国会議員は)自分達が一番の無駄遣いだということが分かっていない。これで平然と国民に増税を求める神経は理解できない」。

 ガラガラの巨大駐車場は、通過車両の少ないところに巨大な橋や道路を造り続けてきたこの国の姿を象徴している。



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