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玄海町長交際費 「薬草園」絡みで九州大学へも

支出は内閣官房にまで

2012年3月23日 11:15

 古川康佐賀県知事や九州電力側への贈り物、経済産業省とその天下り団体への接待攻勢、特定メディアの記者の送別会など、九州電力玄海原子力発電所の立地自治体である佐賀県玄海町(岸本英雄町長)の町長および議長の交際費支出は、地方自治法が規定する「公益上必要な支出」とは程遠いものばかりだった。
 
 とくに知事や国への不適切な町長交際費支出は、昨年3月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故以降に集中しており、"原発再稼動"と密接な関係があったことは明らかだ。

 ところで、同町の交際費支出には特徴があり、町や岸本町長のファミリー企業「岸本組」の利害に直結する特定の事業にかかわる相手先に、集中的に使われていることが分かってきた。(写真は玄海町役場)

「薬草園』と九州大学
 今年5月、玄海町に「玄海町薬用植物栽培研究所」(薬草園)がオープンした。町の説明では、約1万8,000m2の敷地内に薬用植物見本園、薬木園、薬用植物栽培温室棟、甘草栽培温室6棟などが建てられているという。
 
 同施設は、原発マネーである電源立地地域対策交付金や核燃料サイクル補助金を財源とする同町の目玉事業で、岸本町長が公約の目玉に掲げたものだったが、関連工事は「岸本組」と中山昭和・町議会原子力対策特別委員長の次男が経営する「中山組」が受注を独占したいたことが明らかになっており、その実態は昨年、 「玄海町『薬草園』原発マネー 町長・町議の関連企業が75%独占」 で報じている。

 この「薬草園」、じつは九州大学との共同研究事業で、同大学側から協力を引き出す狙いがあったらしく、ある時期に九大側への交際費支出が集中していた。

平成19年 2月21日 九州大学農学部の学部訪問の折 2,415円
平成19年 7月20日 九州大学農学部への土産 5,000円
平成19年 8月27日 九州大学農学部施設誘致挨拶の折、土産として 6,300円
平成19年10月29日 九州大学知的財産本部来庁の折、昼食賄いとして 5,670円
平成20年 1月23日 九州大学協定書打ち合わせの件、土産として 2,205円
平成20年 2月13日 九州大学薬学部より来庁の折、昼食として 5,820円
平成20年 2月22日 九州大学研究事業打ち合わせの折、昼食として 15,700円
平成20年 3月10日 九州大学との調印式の折、昼食として 11,375円  
平成20年 4月 2日 九州大学副学長へ贈り物として 7,560円 

 岸本町長の初当選が平成18年8月。その選挙で薬草園建設を打ち出し、わずか数ヵ月後から九大への贈り物を始めたことがわかる。

 玄海町と九大が、共同研究に関する覚書に調印したのが平成20年3月10日で、この調印式に九大を代表して出席したのが、同年4月2日に玄海町長から「7,660」円分の贈り物をもらった当時の副学長と見られる。(下の文書は歳出執行状況調書より。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)

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 結果的に、九大がらみの町長交際費は、岸本町長と有力町議ののファミリー企業を潤すことにつながったのである。

原発マネー 内閣官房にまで!
 同町の町長交際費支出は、国の中枢にまで及んでいた。
(下の3枚の文書参照。青塗りはHUNTER編集部)

gennpatu 1134.jpg  gennpatu 1135.jpg  gennpatu 1136.jpg 

 これらの「支出票」では黒塗りにされているが、歳出執行状況調書には支出目的が明記してある。

・平成18年12月15日 内閣官房内閣総務室ほか、贈り物として 40,320円 
・平成19年 6月 4日 前内閣官房副長官(○○○○○氏)へ贈り物  12,670円 
・平成22年12月25日 内閣官房○○○ほか7名への苺送料 14,800円
 
 原発マネーは国の中枢にまで及んでいたことになるが、ここに記された前内閣官房副長官とは、佐賀県出身の古川貞二郎元官房副長官。ちなみに古川氏は、退官後、九州電力の非常勤顧問を務めていた

 原発をめぐる闇の深さを物語る、ひとつの証左ではある。



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