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玄海町「薬草園」原発マネー 町長・町議の関連企業が75%独占 

2011年7月15日 10:00

 玄海原子力発電所の立地自治体である佐賀県玄海町(岸本英雄町長)の歪んだ町政の実態がまたひとつ明らかとなった。
 岸本町長が公約に掲げ、町のプロジェクト事業となっている「薬草園」建設工事で、町長の実弟が社長を務める「岸本組」が主な工事の大半を受注していたほか、中山昭和・町議会原子力対策特別委員長の身内が経営する「中山組」も工事を受注。事業費の75%を2社で独占していた。
 原発擁護の姿勢を鮮明にしてきた町長と町議の、公人としての資格が問われている。

薬草園事業、2社で75%
「薬草研究所」の関連工事の落札状況は次のとおりだ。(数字はすべて税抜き)

【平成20年度】
10月 薬草栽培研究所造成(1工区 )「中山組」→3250万円
1月  薬草栽培温室棟建設(建  築)「岸本組」→1740万円
1月  薬草栽培温室棟建設(機械設備)「岸本組」→4560万円
1月  薬草栽培温室棟建設(電気設備)「サデック」→932万円
【平成21年度】
5月 薬草栽培研究所管理棟建設(機械設備)「小野建設」→2380万円
5月 薬草栽培研究所敷地造成(2工区-4)「宮崎建設」→ 2180万円
5月 薬草栽培研究所敷地造成(2工区-1)「ショー」→1650万円
5月 薬草栽培研究所敷地造成(2工区-3)「中山組」→4550万円
6月 薬草栽培研究所敷地造成(2工区-2)「岸本組」→1億1580円
6月 薬草栽培研究所管理棟他建設(建築)「岸本組」→7950万円 
6月 薬草栽培研究所管理棟他建設(電気設備)「大西工業」→4665万円
6月 薬草栽培温室棟建設(建築)「岸本組」→2850万円
6月 薬草栽培温室棟建設(機械設備)「岸本組」→1140万円
6月 薬草栽培温室棟建設(電気設備)「東島電気工事」→ 802万円
1月 薬草栽培研究所展望所整備「岸本組」→1350万円
【平成22年度】
7月 甘草ハウス及び温室棟建設(機械設備)「小野建設」→2965万円
7月 甘草ハウス及び温室棟建設(電気設備)「大西工業」→3295万円
7月 薬草栽培研究所植栽基盤「小野建設」→4250万円
7月 甘草ハウス及び温室棟建設(建築)「岸本組」→1億6250万円
7月 薬用植物栽培研究所舗装工事「岸本組」→1900万円
12月 薬草栽培研究所運営事業(造園)「百花園」→ 900万円

 岸本町長の公約の目玉とも言える「薬草園」関連工事では、町長の実弟が社長を務める「岸本組」が合計4億9320万円もの工事を受注しているほか、中山昭和・町議会原子力対策特別委員長の次男が経営する「中山組」が計7800万円の工事を落札していた。
  同事業は電源立地地域対策交付金や佐賀県核燃料サイクル補助金といった、いわゆる原発マネーでまかなわれているが、2社の受注金額合計は5億7120万円。 同事業に費消された原発マネー7億6000万円の、じつに75%を2社で独占していたことになる。 
 これが玄海町の実態である。
 



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