政治・行政の調査報道サイト|HUNTER(ハンター)

政治行政社会論運営団体
社会

産廃処分場予定地から「産廃」!?

隠蔽図る鹿児島県

2012年1月12日 10:00

 産廃処分場や県営住宅を建設するため、地元住民らの声を無視して計画を強行する鹿児島県。

 事業内容を隠蔽し、強権をもって県民を弾圧するその姿勢について報じてきたが、事態は益々悪化しているようだ。
 
 今度は、問題の産廃処分場予定地から出た「廃棄物」をめぐって、事実関係を隠したい県が地元住民に法的な脅しを行なっていることが分かった。
 
 今年改選を迎える伊藤祐一郎鹿児島県知事の「良識」が問われている。


突然の「警告書」
 gennpatu 891.jpg鹿児島県は川内原子力発電所がある薩摩川内市に、産業廃棄物の管理型最終処分場の建設を進めている(事業主体は県の3セク「鹿児島県環境整備公社」)が、建設予定地付近は豊かな自然が残る地域で、水源の存在も確認されている。
 当然のことながら、地元自治会を中心とする周辺住民らは、計画段階から建設計画についての詳しい説明を求め、応じぬ県を相手に精一杯の反対運動を続けてきた。
 県と対峙してきたのは60代・70代のお年寄りが大半で、まさに「精一杯」の力を振り絞り、処分場予定地に立ち続けているのである。
 
 昨年暮、その地元住民らに県から一通の「警告書」が送付されてきたという。内容は、産廃処分場の予定地内に立ち入れば、住居侵入罪で警察に訴えますよというもの。
 処分場予定地は、県側が地場大手ゼネコンの関連企業から賃借した土地(一部は別の地権者から買収)で、いわば県民の共有財産と言ってもおかしくない場所だ。
 地元住民らに話を聞いたが、昨年10月に処理場建設工事の強行実施を図った県が、鹿児島県警を使って事実上の住民排除をしてからは、工事の妨げになるようなことはほとんどなくなっていると言う。

予定地は既に処分場
 県はなぜ、処分場周辺での住民の動きに苛立っているのか?その答えは次の写真にあった。

PDVD_011.jpgPDVD_009.jpg

 産廃処分場予定地として県が借り上げた土地からは、多くの「廃棄物」が出てきているのである。
 ビニール製の袋、シート、塩化ビニール製のパイプ、ストーブなど、"建設前から既に処分場"(地元住民の話)といった有り様なのだ。
 PDVD_021.jpg明らかに不法投棄された「廃棄物」であり、解体など建設工事にともなって発生したものなら「産業廃棄物」ということになる。
 さらに、同地内には写真にあるとおり、数多くのタイヤが放置されていることも確認されている。

 県は、地元住民らによってこうした実態をつかまれ、利権にまみれた処分場計画の闇の部分が暴露されることを恐れているとしか思えない。

 事業を所管する県廃棄物・リサイクル課に取材した。
記者:薩摩川内市の産廃処分場建設現場に産業廃棄物が埋められていたのではないですか?
職員:産廃は出ていません。

記者:何か埋まっていたはず。そう聞いているが。
職員:肥料袋が出ました。

記者:それだけですか?
職員:はい。

記者:違うでしょう。電化製品かなにか出ていませんか?
職員:ストーブが出ました。

記者:ストーブに肥料袋。それは産廃でしょう?
職員:産廃ではないです。誰が捨てたのか分からないわけですから。

記者:廃棄物であることは間違いない?
職員:そうですね。

記者:不法投棄ということですね?
職員:現在、そのあたりも調査ということで・・・。

記者:捨ててはいけない場所に、肥料袋やストーブ、パイプなどが埋められていた。明らかな不法投棄ではないですか?
職員:まあ、そうなりますが・・・。

情報開示拒む鹿児島県
 HUNTERが、問題の処分場に関する文書を鹿児島県に情報公開請求したのは、昨年9月。
 既報のとおり、事実関係について説明責任を放棄し、隠蔽に走る県側の姿勢は異常としか言いようがない。
 すったもんだの末、県が請求した文書を開示したのが12月19日。概要把握のために必要と見られる文書を県庁内において確定し、写しの送付を頼んでいたのだが、年を越えた今月10日になっても届かない。もちろん、所定の費用は支払っており、返送用の封筒に切手を貼って送ってもいる。

 県側は11日にか12日には届くはずと言うが、わずか140枚程度の文書を郵送するのに1か月近くかけたことになる。請求日から数えると3か月半というわけだ。

 県民を弾圧する県政は、隠蔽によって成り立っている。



【関連記事】
ワンショット
 ガラスの向こうに積み上げられた洋書。オシャレな入り口の奥...
過去のワンショットはこちら▼
記事へのご意見はこちら
調査報道サイト ハンター
ページの一番上に戻る▲