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冷静さ欠く新型コロナ報道 インフルエンザ感染と比べれば……

2020年3月18日 07:20

マスク1.jpg あらゆるメディアが新型コロナ一色。新聞とテレビは、連日感染者と死亡者の人数を競うように報じ、感染拡大への危機感を演出する。静まり返る学校、人通りの少ない商店街や歓楽街――。“自粛”しなければ批判される状況が、国民を委縮させ、中小零細業者に壊滅的な打撃を与えている。混乱は広がる一方だ。
 だが、新型コロナ対策の効果で減っているとはいうものの、同じように怖い「インフルエンザ」の感染者は比べ物にならないほどの多さ。比較すれば、“あおり過ぎ”の現状を冷静に見つめる必要があることが分かる。

■インフルエンザ感染は2か月で55万人
 未知のウイルスが脅威であることは確か。感染源は不明で、ワクチンも未開発という現状が、恐怖に結び付いている。だが、爆発的な感染に至っていないことは、インフルエンザ感染者と比較してみればよく分かる。

 下は、厚生労働省に確認した3月16日時点の、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの感染者数だ。

インフルとの比較.png

 新型コロナの感染者は、1月からの2か月間で約1,500人。これに対し、同時期に同じ感染症の一種である季節性インフルエンザに感染した人は、約55万人に上っている。
(*季節性インフルエンザに感染した人の数は、感染症発生動向調査によるもの。全国約5,000の医療機関でインフルエンザと診断された数であり、実際の感染者はこの何倍もの数になる)

 昨年1年間だと、インフルエンザに感染した人は約188万人。インフル感染が起因したとみられる死亡者は3,281人(最新データは2019年10月末まで)だった。実際のインフルエンザ患者は、年間1,000万人と推計されているため、インフル起因の死亡例も増えることになる。

 新型コロナの被検査数が少ないため、感染者の実数がさらに多い可能性もあるが、あおり過ぎ・怯え過ぎはかえって良くない結果を招く。

 マスクや除菌剤が姿を消したことはやむを得ないとして、デマに踊らされ、薬局やスーパーの店頭からトイレットペーパーやティッシュペーパー、生理用ナプキンまでが無くなるというバカげた騒ぎ。紙類のストックは十分にあると分かっても、必要のない品物を購入する人は後を絶たない。

 1973年(昭和48年)のオイルショックでは、トイレットペーパーの買い占め騒動が起きたが、インターネットが普及したいまも、日本人は変わっていないということだ。

■冷静さ欠く日本
 前述した通り、新型コロナウイルスにはワクチンもなく、特効薬も見つかっていない。一方、インフルエンザは予防接種が可能で、感染したとしてもタミフルやリレンザといった特効薬が処方される。多くの場合、インフルエンザは薬で改善が可能だ。しかし季節性のインフルエンザウイルスも、発見当初は「新型」。高齢者や既往症を抱えている人にとっては、新型コロナ同様に恐ろしい存在なのだ。今では「慣れっこ」のインフルエンザと、新型コロナ――。感染者の数を見ても分かる通り、あわて過ぎは禁物と言うべきだろう。

 コロナショックに関する連日の報道に煽られる形で、委縮し、神経を尖らせる国民――。国のリーダーはあわてふためき、効果に疑問がある「一斉休校」や「中韓拒否」さらには緊急事態宣言を可能にする法律改正まで進めてしまった。日本は人間の力ではどうにもならない自然災害を何度も経験しており、どんな状況になろうとも、冷静さを保てる経験を積んでいるはずだが……。




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