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【衝撃の録音データ ①】自民党県議団、三反園推薦の茶番劇

2020年3月19日 07:50

0b8ed3f999edbdc17e9b31a29634c0f2967c2c31-thumb-230xauto-30326.jpg 今夏の県知事選に向けて、先月28日の総会で現職三反園訓氏(62)の推薦を決めた鹿児島県の自民党県議団。筆頭副会長の大久保博文県議は会議後の会見で「全会一致」と明言したが、これは真っ赤なウソ。HUNTERが独自に入手した議員団総会の録音データから、外薗勝蔵県議会議長ら三反園支持派が恫喝と屁理屈で慎重派を黙らせ、強行突破した様子が浮き彫りとなった。
 茶番としか言いようのない議員団総会の詳細を、複数回に分けて報じる。
 
■長老議員のおかしな主張
 総会は、当選7回の松里保廣県議(西之表市・熊毛郡区:当選7回)が議員団執行部に、「三反園知事を推薦するという形で取りまとめをするよう」注文を付けるところから始まっていた。

 三反園知事は現職でありますし、当然執行部として政策も摺合せをし、そして我々、三反園知事が誕生してから、一回も議案等は否決しておりません。そういう中で常識として三反園知事を推薦する方向に取りまとめるべきだというふうに思っております。
 今後この取りまとめが非常に厳しい状況になっていくとするならば、会派とはなんぞやと。普通現職がですね、推薦願を出して、数か月も決まらないというのは、非常に会派としてどうなんだということになってくると思いますので、今日この日、意見集約をして、4人の中から三反園知事を推薦するという形で執行部におかれては取りまとめをしていただきたいと思います。

 松里県議は「三反園知事が誕生してから、一回も議案等は否決しておりません」と述べている。しかし、鹿児島県の自民党は、一体いつから三反園与党になったのだろう?
 
 2016年の知事選で自民党は、当時の現職・伊藤祐一郎氏を推薦し、「公認並」の扱いで支援していたはず。一方、伊藤氏を破った三反園氏は、共産党を含む“野党”の支援を受けて初当選した人物。本来なら、自民党にとっての“敵”なのだ。「一回も議案等は否決しておりません」というが、自民党側が知事に日和っただけの話だろう。現職推薦を「常識」と断言する方が、政党人としては非常識というものだ。

 現職だからといって、出された推薦願に即座に対応しなければならないという決まりはあるまい。三反園氏の推薦がなかなか決まらなかった理由は、同氏の県政運営に批判が多いうえ、その政治姿勢に多くの県民が疑念を抱いているからだ。現実に、38名いる自民党県議団の三分の一程度は、いまだに“反三反園”の旗を降ろしておらず、自民党県議団は事実上割れた状態だ。

■恫喝
 長老議員のおかしなリードに応えたのが、県連幹事長を務めている日高滋県議(西之表市・熊毛郡区:当選6回)。のっけから「一つの方向性をですね、出していただきたい。私、幹事長職を頂いたものとしてですね、今このように考えているところでございます」と述べていた。県連幹事長であることを断った上での発言である以上、県連がこの日の推薦決定を促したも同然だ。一連の流れは、誰かが書いた筋書きに沿ってのものだったとしか思えない。

 はやる三反園支持派に対し、慎重意見を述べた良識派もいた。

今日まとめなさいという話をするのはですね、大変拙速」(鶴丸明人県議 霧島市・姶良郡区:当選2回)

もう少し今いろんな方の意見を聞いてやるのも私は一つの方法だし、4人が出そろったら、4人の初心を聞く、それで最後決めてからでも推薦は全然遅くない」(大園清信県議 鹿児島市・鹿児島郡区:当選6回)

 こうした声を恫喝で黙らせたのが、外薗勝蔵県議会議長。映画に出てくる暴力団組長を彷彿とさせるような、凄みのある一喝だった。外薗議長と鶴丸県議のやり取り――。

外薗:私はですね、議長としてじゃなくてですね、県連の副会長もしてますし、我々は20数年自民党をずっと支えてまいりましたよ。鶴丸先生なんかこのごろでしょ。

鶴丸――「僕は…」

外薗:うるさい、黙っとけ!

鶴丸――「このごろというのは…」

外薗:黙っとかんな!僕が話をしているんだから!

鶴丸――「その言い方はちょっと…」

外薗: 黙っとかんな!

 鶴丸議員は当選2回ながら、首長経験者で74歳。恫喝した外薗議長は当選6回のベテラン県議だが、69歳だ。目上に対する礼儀もわきまえず「黙っとけ!」と怒鳴るのは、議長としての資質だけでなく、人としての品格まで疑われる行為と言えるだろう。暴走は止まらず、三反園推薦に向かってなりふり構わぬ行動を続けてきた外薗氏はこのあと、理解不能の主張を並べ立てる。
                                                            (つづく)



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