鹿児島県(三反園訓知事)が、大量のマスクを保有しながら、その数を非公表にしていることが分かった。
県が保管しているマスクは、東日本大震災が発生した当時に購入されたのもので、その数なんと27万枚。保管枚数と非公表の理由を訊ねたHUNTERの取材に対し、県は頑なに回答を拒んでいる。
鹿児島県内では、いくつかの公立病院が深刻なマスク不足に陥っているという情報もあり、保管しているマスクの存在を隠す県の姿勢に、批判の声が上がりそうだ。
■マスクの数、公表拒む鹿児島県
ある県庁OBの話によれば、鹿児島県は、東日本大震災の発生当時、万が一の事態に備えるため大量のマスクを購入し、そのまま保管してきたという。その数27万枚。購入から9年経ってはいるものの、新品のマスクが眠っているということだ。
HUINTERは11日、新型コロナウイルス対策を担当している県の担当課にマスクの備蓄枚数について確認を求めたが、返ってきたのは「備蓄ではない。緊急時に職員が使用するマスクはあるが、数は公表していません」というそっけない一言。12日の再確認にも「公表しておりません」を繰り返すばかりだった。
“なぜ非公表なのか?”――理由を訊ねても、これまた「公表していません」の一点張り。27万枚という数字をぶつけたところ否定はせず、今度は「私の立場では何も言えません」だった。
“外薗勝蔵県議会議長が、そのうちのひと箱をもらったという話がある。事実か?”という問いに対しては、当初「聞いていない」だったものが、翌日には「分かりません」に変わった。
特定の県議や県職員だけが特別扱いされているとすれば言語道断。県は事実関係を明らかにすべきだが、マスクに関して、三反園県政は徹底的に隠蔽を図る構えだ。
そもそも、緊急時に県庁職員が使うといっても、27万枚ものマスクが必要になるものなのか?百歩譲って、一定量のマスクが必要だとしても、いま一番マスクを必要としているのは医療の現場。優先的にそこに投入してこそ、「備蓄」してきた意味があるというものだ。マスク購入の原資が税金であるということを、県はしっかりと認識すべきである。
■医療機関では深刻なマスク不足
県側とのやり取りの最中、鹿児島県のある公立病院の関係者から、マスク不足を嘆くメールが送られてきた。
「病院医療スタッフのマスクがゼロ。病棟の医療スタッフは、肺炎の疑いがある患者がいても感染覚悟で、マスクなしで我慢。北海道も大事だけど、病院にもマスクをまわして欲しい」
鹿児島県に限らず、医療機関や介護施設でのマスク不足は深刻な状態で、こうした声は増える一方。切実な声は、当然県にも届いているだろう。三反園訓鹿児島県知事は、マスク27万枚の存在を知っているはずだが……。