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観客動員1万人 地域おこし映画大惨敗で問われる南大隅町長の責任

2019年12月 3日 08:15

きばいやんせ.png 鹿児島県南大隅町が地域再生策の一環として約1億円の制作費を負担した映画『きばいやんせ!私』の興行成績が、計画を大幅に下回る大惨敗に終わっていたことが明らかとなった。
 観客動員数は、期待された数字の十分の一。町起こしに寄与したとは言えず、多額の公費を無駄にした形となっている。
 『きばいやんせ!私』を巡っては、制作会社「アイエス・フィールド」が、興行成績を報告するよう求めた同町役場の要請を半年以上放置。町民からは「役場と制作会社が、映画の失敗を隠している」として、厳しい批判の声が上がる事態となっていた。

■制作会社に乗せられ公費1億円
 同町の映画制作は、地域再生法に従って2017年9月に国が認定した地域再生計画の中核事業。2000年(平成12年)頃まで1万人を超えていた人口が減少の一途をたどり7,000人近くにまで落ち込んだことから、映画制作会社「アイエス・フィールド」の提案に乗せられた森田俊彦町長が、「きばいやんせ!私」の制作を決めていた。

 映画制作の目的は、《映画制作により、対外的な町の認知度やイメージの向上を図り、作品への町民参画により地域への愛情と誇りを醸成し、移住者・観光入込客を増加させ、本町の人口減少に歯止めをかけること》(南大隅町公表資料より)。総制作費は1億2,420万円(制作費8,640万円、宣伝費3,780万円)で、8割にあたる9,936万円を南大隅町が、残りをアイエス・フィールドが負担する計画だった。映画制作にあたって同町が国に提出した「地域再生計画」には、映画がもたらす効果として次の数値目標が掲げられている。

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 移住者や観光客の増加という願いをかけられた『きばいやんせ!私』は、人気女優・夏帆さんを主演にして、昨年3月にクランクイン。完成した映画は今年3月に公開されたが、マスコミの話題に上ることもなく、南大隅町内からも興行成績の不振を心配する声が上がっていた。 

■興収1,200万円、町民あ然の驚くべき実態
 同町の担当課は今年5月、アイエス・フィールドに対して観客動員数や興行収入などについて確認を求めたが無回答。半年以上にわたって催促したが、不誠実な対応が続いたため先月、「文書による確認」に移行していた。11月22日になってようやく役場に送られてきた興行成績は、予想をはるかに上回る惨憺たるものだった。下に、計画段階と実際の数字を併記した。
 
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 移住者を増やすために必要となるのは町の知名度。本土最南端の町を世に知らせるため最も重要とみられていた観客動員数は、計画の十分の一となる11,256人で、過疎化に苦しむ町内人口(約7,000人)の2倍にも満たぬ数字だった。地域再生計画に記された移住者や観光客の増加など、望むべくもない。興行収入は制作費の1割にも達しない大赤字の1,200万円で、商業映画としては成り立たないレベルである。
 
 ちなみに、映画制作にあたって南大隅町が参考にしたのは、問題の映画会社アイエス・フィールドが制作を担当し、2015年2月に公開された『マンゴーと赤い車椅子』。鹿児島県大崎町が中心となって鹿屋市、志布志市など九つの周辺自治体と地域団体が『きばいやんせ!私』とほぼ同額の約1億2,000万円をかけて制作した映画だったが、元AKBや三代目J Soul Brothersのメンバーといった人気タレントを主役に据えながら、“観客動員4万人・興行収入5,000万”円という結果に終わり、興行的には失敗作となっていた。『きばいやんせ!私』は、それ以下の成績だったということだ。

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 アイエス・フィールドは、「地域映画を商業映画として展開するプロジェクト」(同社代表のプロフィールから)を事業として進めてきた会社。自治体などにカネを出させ同社が映画制作を請け負うという仕組みで、何本かの映画を制作しているが、関係者の間からは「税金と地方を食いものにしているのではないか」という声が上がっている。興行成績を隠し続けた不誠実な対応からみても、この会社に公費を使った映画を作る資格はない。

 『きばいやんせ!私』の興行成績を知った南大隅町在住の会社役員は、次のように話している。
「映画制作は、森田俊彦町長が映画制作会社の甘言に乗って決めたこと。ちゃっかり自分の妹の女優を出演させるなど、公私混同が疑われる事業だった。興行的な成功には全く期待していなかったが、ここまで酷いとは思っていなかった。全国で1万人とは……。1億近くの公費支出が、まったくの無駄になったのは事実。映画会社とつるんで公費をどぶに捨てたも同然の町長は、責任を取るべきだろう」

 南大隅町のホームページを開くと、『きばいやんせ!私』のバナーが貼ってある。しかし、クリックして出てくるのはエラー表示。公開から1年も経っていないのに、映画の公式サイト自体が消滅している。




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