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福岡県議会・原中副議長 県政報告会4回分の収入を秘匿
虚偽報告の疑い濃厚に

2019年11月18日 08:15

DSCN1192.JPG 労働組合「自治労福岡県本部」からの献金を、政治資金パーティーの収入に偽装した疑いが持たれている原中誠志福岡県議会副議長に、新たな違法行為がみつかった。
 原中氏の資金管理団体「原中誠志後援会」は、平成27年と28年に開催した4回の政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に記載せず、支出だけを計上して繰越金を過少に見せかけていた。政治資金規正法に抵触する虚偽報告だったことは明らか。副議長どころか、県会議員としての資質・資格が問われる状況だ。

■隠されていた県政報告会の収入
 原中誠志後援会が福岡県選挙管理委員会に提出した平成27年と28年の政治資金収支報告書には、それぞれ2回、計4回分の会場費や飲食代といった政治資金パーティー開催事業費が計上されていたが、こうした支出に見合うパーティーが、いつ開かれ、どれだけの収入があったかが未記載となっていた。実際のパーティー開催状況はどうなっていたのか?――HUNTERは、献金偽装の件と合わせ原中氏に質問取材を行っていた。

 27年分の報告書に記載があったのは、同年3月5日に福岡市中央区天神の「福岡国際ホール」で政治資金パーティー「原中まさし県政報告会」を開いたとして計上されていた開催事業費567,598円と、11月19日にやはり報告会の開催費として仕出し業者に払われた110,000円。28年分には、2月25日に「福岡国際ホール」に支払われた676,096円と、報告会向け「お弁当代」56,000円(6月8日支払い)が記載されていた。下が、県選管への情報公開請求で入手した計4回の報告会の支出に該当する領収書の写しである。

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 領収書まである以上、県政報告会が開かれたことを疑う余地はない。隠された収入があるとみて原中氏に質問をぶつけたが、同氏は回答書に、報告会の開催日と収入額を明記する形で収支報告書への未記載を認めている。

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 ありもしない政治資金パーティーをでっち上げた献金偽装に加え、実際にあった収入を“なかったこと”にして隠すという汚い手口の数々――。原中副議長側が県選管に提出した政治資金収支報告書の信頼性はゼロで、虚偽報告が強く疑われる状況だ。さらに、収支報告書に収入の記載がなかった県政報告会には、「買収」疑いまで浮上している。
                                                       (以下、次稿)



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