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【関電原発マネー疑惑】 不正暴いた「警告文」と「告発文」

2019年10月10日 08:30

高浜原発.png 会長、社長を含む役員の大量辞任にまで発展した関西電力の原発マネ―疑惑。幹部クラス20人が、原発立地自治体の有力者から億単位の金品をもらっていたというのだから呆れるしかない。「一時的に預かった」という関電側の言い訳を信じる国民は、皆無に近いだろう。
 電力料金を原資にした原発関連事情を受注した企業から、福井県高浜町の元助役を通じて発注者である関電の役員らに還流した原発マネーは3億2千万円。これは同社の内部調査で分かった2010年から2017年までの7年間の合計に過ぎない。今年に入って関電の幹部に送られた警告文や、報道機関などへの「告発文書」によれば、原発を巡る黒い癒着は40年前から続いていた可能性がある。
 HUNTERは、関電が隠蔽していた疑惑を表面化させた一連の文書を独自に入手。2回に分けて掲載し、内容を検証する。(写真は高浜原発。関電HPより)

■国税の査察で浮上した関電疑惑
 関電疑惑の発端は、昨年1月に金沢国税局が行った福井県高浜町の建設業者「吉田開発」への査察。調べの中で、原発関連事業を受注する同社が、元高浜町町助役の森山栄治氏(今年3月に死去)に3億円の工事受注手数料を支払っていたことが明らかとなっていた。国税局は査察の過程で、森山元助役から関電の役員らに渡った多額のリベートの存在をつかんだものとみられている。

 国税局の指摘を受けた関電の内部調査は昨年7月に始まり、9月には過去7年間に役員ら20人が、約3億2,000万円分の金品を受け取っていたことが判明。しかし同社は調査結果を公表せず、裏金を受け取った幹部の処分を見送っていた。結果的に、世の中を甘く見たこの悪質な隠蔽が、関電の傷口を広げることになる。

■「警告」は今年3月に出されていた
 HUNTERが入手した文書は5件分(7枚)。関電原発マネー疑惑の核心を知る人物が作成したとしか思えない内容で、1件目は今年3月、関電の岩根茂樹社長に対して次の“警告文”が送られていた。

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 文書の差出人は、吉田開発周辺に対する国税の査察を踏まえた上で、吉田開発や森山氏に対し供与された利益が、関電側に還流していた事実を指摘。不正の原資をひねり出した構図を明示し、事案の公表と人事の刷新を迫っていた。さらに、警告に応じなかった場合には把握している情報を関電の株主である大阪市などの自治体や報道機関、反原発団体などに公表するとしていた。裏の事情を詳しく知った人物(あるいはグループ)が、関電の自浄能力に期待して、情報公開を求めた形だ。

■警告無視して隠蔽に走った関電
 関電中枢はこの警告文を甘く見た。不正が露見したことを承知で、問題のある役員を処分もせず不正を隠蔽。警告を安全に無視したことで告発者の怒りを買う。下が、4月19日に関電社長に、同月25日に同社の7人の監査役に送られた「最後通牒」である。

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 この最後通牒が、関電側に残された更生の最後のチャンスだったが、同社のコンプライアンス機能は完全にマヒしていたらしく、告発者の望みを打ち砕く役員人事を内定する。  

 



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