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「N国」の政治活動 立花氏は“脅迫”、丸山氏は“戦争の勧め” 

2019年9月10日 09:50

N.png 今夏の参議院選挙で1議席を得た「NHKから国民を守る党」(以下、N国)。代表者である立花孝志氏の個性と「NHKをぶっ壊す」という物騒な公約で躍進を遂げた同党だが、立花氏が力を入れているのは人気タレントや民法テレビに対する激しい攻撃。街頭演説と称して強要行為を繰り返してきたが、9日には区会議員への脅迫容疑で警視庁から事情聴取された。副党首の丸山穂高衆院議員は、二度目の戦争発言で批判を浴びる状況だ。
 恫喝で相手を屈服させるのは、悪質な反社やチンピラ右翼の常套手段。暴力的な顔しか見えないN国は、確かに「気持ち悪い人たち」である。(右の画像はN国の公式HPより)

■まるでチンピラ右翼
 民放テレビの番組でN国の躍進について聞かれたタレントのマツコ・デラックスさんが、「一体これから何をしてくれるか判断しないと、今のままじゃただ気持ち悪い人たち」、「もちろん受信料を払うことに真剣に疑問を持ってる人もいるだろうけど、ふざけて入れてる人も相当数いるんだろうなぁ、とは思う」などと述べた。

 まったく同感。おかしなコメントとは思えない。右のこぶしを振り上げて「NHKをぶっ壊す」を連呼する立花氏の姿から、不気味な洗脳集団を連想する国民は少なくあるまい。

 NHKによる強引な受信料取り立てと、安倍政権に忖度する報道姿勢に嫌悪感を抱く国民から一定の支持を得たものの、N国への本当の評価は今後の国会活動にかかっていた。「これから何をしてくれるか」が問われていたのは事実で、マツコ発言に反発するのは間違いだろう。公人となった以上、立花氏は批判や提言を真摯に受け止めるべきだったが、何故かマツコ発言に過剰反応する。

 毎週月曜日にテレビ局前に押しかけ、街頭演説の形でマツコ氏やテレビ局を攻撃。止めてほしければ、番組に出演させろと要求し続けているのだ。これはもう、政治活動ではなく強要。チンピラ右翼の街宣活動と何ら変わりがない。

 9日には、N国に所属していた地方議員をネット上の動画を使って脅迫していたとして、立花氏が警察から事情聴取を受けたことが判明。会見を開いて事実関係を認めたが、開き直って議員辞職を否定している。

 問題となった区議に対する動画での発言は、「仕事できへんようにしてやる」「将来があるので徹底的に潰しに行きます」「この子のお母さん、彼女も知ってますよ。徹底的にこいつの人生僕は潰しにいきますからね」「覚悟しておけ。お前ら許さんぞボケ」――。国民の税金が、こんな男に使われるという理不尽を招いた責任は、残念ながら「有権者」にある。

■副党首・丸山穂高、今度はしらふで戦争発言
 その立花氏とタッグを組んだのが、北方領土に関する戦争発言で国会の糾弾決議を受けた丸山穂高衆院議員。N国の副党首に就任したとたん、韓国との間で領有権を争ってきた竹島を「戦争で取り返すしかない」と主張して物議を醸している。

 北方領土では“泥酔”しての戦争発言だったが、今度はしらふでの情報発信。東大や松下政経塾で何を学んだのか知らないが、狂気を宿しているとしか思えない暴走ぶりだ。
 
 党首と副党首が、そろって場外バトルを繰り返すN国。両人に通底しているのは、問題解決を「暴力」に頼る姿勢だ。本番の国会活動で見せ場を作ることはないだろうが、消費増税で苦しむ国民としては、これ以上の税金の無駄は止めていただきたい。N国の早期消滅を祈っている。



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