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鹿児島県出水市で談合の疑い 庁舎建設の入札延期

2019年8月20日 08:20

b9842af306bff3a396a5d6d2681eef8fc7c89513-thumb-200xauto-25984.png 鹿児島県出水市が、支所庁舎の建設工事に関するHUNTERの談合情報を受けて、19日に予定されていた入札を延期することを決めた。
 談合の疑いが持たれているのは、同市高尾野支所と野田支所の庁舎建設工事。それぞれ2工区に分けられた工事の入札について16日、HUNTERに落札する建設共同企業体(JV)の名称など詳細な情報が寄せられたため、同日夕、市の入札担当に取材して事実確認を求めていた。

■談合情報で入札延期
 疑惑が持たれている工事は、「出水市高尾野支所庁舎建築工事(1工区)」「出水市高尾野支所庁舎建築工事(2工区)」「出水市野田支所庁舎建築工事(1工区)」「出水市野田支所庁舎建築工事(2工区)」の4件。入札公告によれば、それぞれ約1億7,000万円から約2億4,000万円の予定価格で、Aランク(公式には「A級」)の業者がBランク(同「B級」)または別のAランク業者と共同企業体を組んで応札し、19日に入札が行われる予定となっていた。

 HUNTERに談合情報が寄せられたのは16日金曜日の午後5時過ぎ。それによると、出水市のAランク業者だけでJVの組み合わせ、工区割り、出資比率などを決めた経緯が明かされており、談合が行われた時期と場所も示されていた。

 各工区を落札するJVの組み合わせ、落札率、落札を見送るJVの組み合わせなども詳述されていたため、出水市の入札を所管する政策経営部契約検査課に事実関係の確認を要請。同課は、談合情報が寄せられた場合のマニュアルに従って対応するとしていたが、19日午前に「入札を延期して、調査することを決めた」としている。

■背景にAランク業者と市の癒着?
 混乱を招いた原因は、出水市が決めたJVの構成だ。市は、共同企業体の結成にあたっての要件として構成員数を「2社」と定めた上で、「2社の組合せは、出水市建設工事入札参加資格審査要綱の規定による建築工事の格付がA級及びB級又はA級及びA級とすること」と規定。このため、庁舎建設の4件の入札では、Aランク同士でJVを組むケースが続出していた。実際、寄せられた談合情報でも、支所庁舎4工区の落札業者はすべてAランク業者のみの組み合わせとなっている。

 おさまらないのは市内に11社あるBランクの業者。入札の公告が出された7月、全社がそろって「A級業者のみに偏った共同企業体になりかねない」などとして、JV構成員の組み合わせを「A級及びB級のみ」に改訂するよう、椎木伸一市長あてに緊急要望書を提出していた(下は、HUNTERが独自に入手したBランク業者の緊急要望書)。

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 市は、Bランク業者の要望を黙殺。所定の方針を崩そうとしなかったため、Bランク業者だけでなく、市と一部業者による癒着を懸念するAランクの業者からも、「今回の入札はおかしい」という声が上がる事態となっていた。

 ある建設業界の関係者は、次のように話している。
「Bランク業者が緊急要望を提出した際、市の幹部は『次から考える。今回はこらえてくれ』などと言ったという話がある。市とAランク業者の癒着が疑われる事態であることは間違いない。市長は知らんふり。鹿児島県警も、談合情報を得ているくせに動かない。これでは、談合を容認しているようなものだ。
 談合を行った業者は、役所の事情聴取に対し、型通り『談合の事実はない』と答えるのが通例。出水市の場合、いったん決めた組み合わせで押し切るか、組み合わせを変えて仕切り直しにするか注目だ」
 



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