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首相側近・萩生田氏側 国との請負契約業者から選挙中に100万円
公選法違反の疑いも

2019年8月 6日 08:55

萩生田 安倍-2.png 安倍晋三首相の側近で自民党の幹事長代行を務める萩生田光一衆議院議員の政党支部が、平成29年の総選挙の際、国と契約期間中だった建設会社の代表者から100万円の献金を受けていたことが分かった。
 献金から2日後、政党支部から萩生田氏個人に同額が寄附されており、「迂回」させた建設業者のカネが選挙資金として使われた形。公職選挙法は、国と請負契約を結ぶ個人や企業が国政選挙に関して行う献金を「特定寄附」として禁じており、萩生田氏側が同法違反に問われる可能性もある。
(写真右が萩生田氏。同氏の公式HPより)

■請負契約中に100万円の寄附
 萩生田氏が代表を務める「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」が東京都選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書によれば、同支部は平成29年10月10日、八王子市内在住の男性会社役員から100万円の寄附を受けていた(下は、収支報告書の該当ページ)。
  
萩生田支部1.png

 寄附をした男性は、市内に本社を置く「黒須建設」の役員で、寄附が行われた当時は代表取締役社長だった(現・代表取締役会長)。

 黒須建設の工事経歴を調べてみたところ、同社は平成27年4月26日に入札が実施された国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所発注の「H29浅川豊田外築堤工事」を落札。5月16日に工事費 131,760,000円(税込み)で国と契約を締結していた。関東地方整備局京浜河川事務所によれば、工期は同年5月17日から28年3月16日までの304日間。同年に執行された衆議院議員総選挙の日程は、10月10日公示の22日投開票だったことから、選挙期間中は、黒須建設と国との請負契約が継続していたことになる。(*下は関東地方整備局のホームページより。当該事業の赤い囲みはHUNTER編集部)

整備局HP.png

 「H29浅川豊田外築堤工事」の施工状況については、黒須建設のホームページ上にも実績として紹介されている(下の画像参照)。

黒須建設施工実績.png

■自民支部「迂回」させ実態隠し 
 公職選挙法は、政策が寄付者の影響を受ける事態などを防ぐため、「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない」(199条)と規定しており、いわゆる「特定寄附」は違法。違反した場合は3年以下の禁錮または50万円以下の罰金となる。

 黒須建設の当時の社長が萩生田氏側に100万円を寄附したのは衆院選公示日の10月10日。いったん政党支部に寄附にしたことで「合法」を装ってはいるが、同支部は10月13日に萩生田氏に100万円を、18日には200万円を寄附しており、「迂回」という脱法行為で実態を隠した格好となっている。

萩生田寄附.png

 萩生田氏は、自由民主党東京都第二十四選挙区支部を「迂回」させる手口で、本来なら違法となるはずの資金を得ていた疑いが強い。個人への企業・団体献金は禁じられているが、萩生田氏の自民支部は総選挙が行われた平成29年、公示日である10月10日から22日の投開票日までのわずか12日間に、56社から約1,800万円を集金。上掲の収支報告書に記載されているように、1,600万円を萩生田氏個人に寄附していた。「迂回」によって違法な献金実態を隠したという見立てが成り立つ。

 黒須建設側からの100万円も、性格上は明らかに特定寄附。迂回させてごまかしてはいるが、違法性が問われる可能性がある。

 萩生田氏側は、「自由民主党東京都第二十四選挙区支部が平成29年10月10日から投開票日である22日までの間に集めた献金の中に、国との請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者又は契約当事者の代表からのものは含まれていませんか?」というHUNTERの質問取材に対し、「寄附者の個別の事業などについては、事務所では承知しておりません」と答えている。

 「特定寄附」を巡っては平成15年(2003年)、横浜市議会議員選挙の際、市と請負契約関係にある建設会社の役員らから現金計100万円の寄附を受けたとして、神奈川県警が公職選挙法違反で現職市議を逮捕。宜野湾市では、市長選挙に関して市と請負契約関係にある複数の建設業者から寄附を受けた当時の市長が、沖縄県警に逮捕されるという事件が起きている。



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