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安倍側近・萩生田幹事長代行の選挙費用収支に虚偽報告の疑い 
企業献金1600万円、自民支部迂回させ本人に

2019年7月30日 09:25

萩生田 安倍.png 自民党の萩生田光一幹事長代行が代表を務める「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」が、平成27年に行われた衆議院議員選挙の期間中に約1,800万円の企業献金を集め、大半を“選挙費用”として萩生田氏個人に寄附していたことが分かった。(写真右が萩生田氏。同氏の公式HPより)
 同支部から萩生田氏個人に渡ったカネは明らかに選挙資金だが、迂回させたことで実際の出所を隠した形になっている。公職選挙法は、政治家の選挙運動に関する収入と支出のすべてを報告するよう求めており、萩生田氏の選挙運動費用収支報告書は、虚偽記載に問われる可能性がある。

■衆院選期間中に約1,800万円の企業献金
 自由民主党東京都第二十四選挙区支部(以下、「自民支部」)が東京都選挙管理委員会に提出した平成29年分の政治資金収支報告書によれば、この年に同支部が集めた企業・団体献金は約3,600万円。このうち、計1,770万円は、総選挙が公示された同年10月10日から投開票日である22日までのわずか12日間に、56社から集められた1件10万円を超えるスポット的な献金だった。最高額は200万円。衆議院が解散した9月28日からの企業献金を計算すると、スポット献金の総額は2,000万円を超える。

 一方同支部は、9月28日の100万円を皮切りに、11月10日までに計6回、総額で1,600万円を「はぎうだ光一選挙対策本部」に寄附。選挙前後に自民支部で集めた多額の政治資金が、そっくり選挙資金に充てられた格好となっていた。

萩生田寄附.png 
 同支部の平成27年と28年の収支報告書を確認したところ、両年とも企業・団体献金は約1,000万円。ほとんどが、月々1万円や3万円といった具合に定期的に同額が入金される形の寄附が多く、29年のように短期間に多額のスポット献金を集めたケースはなかった。
 
 公職選挙法は、「選挙運動に関するすべての寄附及びその他の収入」を備え付けの会計帳簿に記載した上で、その内容を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告するよう求めているが、萩生田氏の選挙運動費用のうち1,600万円は、自民党の支部を迂回させることで出所を隠したもの。陣営として、意図的に虚偽報告を行った可能性が否定できない。

■虎の威を借る首相側近
 萩生田氏は、自他ともに認める安倍晋三首相の側近。加計学園の獣医学部新設問題で関与が取り沙汰された他、首相の意を受けた形で過激な発言を行い、増税や選挙時期についての「アドバルーン」をあげることで知られている。

 今月26日にはインターネットの番組で、「有力な方を議長に置いて、憲法改正シフトを国会が行っていくのは極めて大事」と発言。大臣経験もない虎の威を借る狐が 大島理森衆院議長の交代を示唆したことで物議を醸す事態となっている。

*下は、かつて萩生田氏自身がブログに掲載した写真。左端が安倍首相、右端でビールを片手にポーズしているのが萩生田氏。真ん中に立つ人物は、首相の“腹心の友”加計学園の加計孝太郎理事長。
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