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ゆがむ鹿児島・三反園県政 職員の会合ドタキャンに苦しい言い訳
「都合が悪くなった」で知事の指示隠蔽

2019年7月12日 10:00

047e10dfa49129965d6a242de99adcd4146268ad-thumb-220xauto-25187.jpg 県内の会合を何度もドタキャンしながら、経緯をつまびらかにしない三反園訓鹿児島県知事。傲慢な姿勢に批判が集まる状況となっているが、知事だけでなく職員も、不可解な会合ドタキャンを行っていたことが明らかとなった。
 ある会合で起きた職員のドタキャン理由について確認を求めたHUNTERの取材に対し、複数の部署から返ってきたのが「都合が悪くなった」という回答。苦しい立場で口裏を合わせているのは確かだが、県の組織自体が腐り始めた証左と言えそうだ。
 
■明かされぬドタキャンの理由
 知事のドタキャンは少なくとも3回。今年1月には、事前に県費で会費を支払っていた「一般社団法人 鹿児島工業倶楽部」の新年大会を欠席し、4月には知事側から挨拶の場を作るように申し入れていた同県三島村の焼酎お披露目会を、直前になってドタキャンしていた。5月17日には、鹿児島工業倶楽部の総会を、開会時間である17時30分の5分前になってドタキャン。こうした身勝手な姿勢に、県関係者から批判の声が上がる事態となっている。

 記者会見で知事は、「担当課に聞け」を連発。担当課は「庁内の会議が長引いた」などと強弁してきたが、情報公開請求で証拠書類を求めたところ、「会議」の開催や知事の出席を証明する公文書は一切残されていなかった。

■ドタキャン理由 ― 各課が「都合が悪くなった」
 問題は、知事のこうした非常識な行動を、県職員にまで強要している可能性があることだろう。じつは、知事がドタキャンした三島村の焼酎お披露目会を巡っては、複数の職員が出席の返事をしながら、そろって欠席していたことが分かっている。このため、関連文書を開示請求していたが、残されていた公文書によって、歪む県政の実態が浮き彫りとなる。

 まず、三島村からの案内状が下。知事室以外で関係した県の部署は「地域政策課」「かごしまPR課」「鹿児島地域振興局総務企画課」などで、それぞれが案内状を受け取っていた。

三島村.jpg

 参加を決めるにあたっては、地域政策課と振興局が決裁文書を残していた(下の文書、上段が地域政策課、下段が振興局のもの)。出欠を知らせる返信用のハガキでは、いずれも「出席」となっている。

 三島村2.jpg 三島村4.jpg

三島村3.jpg

 各課に確認したところ、地域政策課が1人、振興局が2人、決裁文書は残っていないもののかごしまPR課は4人が「出席」の返事をしていたという。知事を合わせて8人が、焼酎のお披露目会に参加予定だったということだ。ところが、実際に参加した職員は皆無。お披露目会の直前になって、全員が不参加となっていた。参加を決めた時の決裁文書を残しておきながら、不参加についての文書は何故か不存在となっている。

 7人もの職員がドタキャンした理由は何か――。各課に尋ねたところ、回答は一様に「都合が悪くなったため」。いずれの職員も口が重く、「それ以上は答えられない」と頑なで、仕事で不参加になったのか自己都合で不参加にしたのかも分からない状況となった。

■県関係者 ― 「知事の意向」明言
 三島村の焼酎お披露目会が行われた4月25日は、県絡みの事件・事故など起きておらず、自然災害も未発生。別の課に所属する7人もの職員が、そろって「都合が悪くなる」などという要因はなかった。 

 結論から述べれば、県側の正式回答である「都合が悪くなった」は、虚偽ではないものの正確さを欠く回答。実際には「知事からの指示があったため、都合が悪くなった」というのが真相である。ある県関係者は、匿名を条件に次のように打ち明ける。
「県のある部署から『欠席するように』という連絡があったのは事実。もちろん、知事の意向だ。会議がはいったわけでもないし、急用ができたのでもない。『都合が悪くなった』のは本当のことなので、そう言い張るしかないし、それ以上は語れない。苦しい苦しい。職員はつらいところだが、隠蔽やごまかしが常態化すれば、それで当然と思い込む職員が増え、組織が腐る。三反園さんは、罪深い」

 一連の会合ドタキャンの背景にあるのは、来年の鹿児島県知事選挙。知事がドタキャンするのは、決まって知事選立候補が噂される人物の参加が見込まれている会合で、前出の県関係者は「知事が、知事選でぶつかるかもしれない相手と同席することを嫌っているのは確か。比較されるのが嫌なのか、ただのわがままなのか分からないが、人間が小さいということだろう」と話している。



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