政治・行政の調査報道サイト|HUNTER(ハンター)

政治行政社会論運営団体
社会

参院選出馬予定の元裁判官弁護士が堂々の公選法違反

2019年6月27日 08:20

春田2--3.jpg 選挙や政治活動を行う際には守るべき一定のルールが存在するが、“法律の専門家”であることを売りものにしている立候補予定者が、公然とこれを破るというのだから話にならない。
 国民民主党の公認で今夏の参議院選挙に立候補することを表明している春田久美子氏の政治団体が、福岡市内の事務所で、公職選挙法の規定に反する看板等の掲示を行っていることが分かった。
 春田氏は裁判官出身の現役弁護士。経歴を全面に押し出した活動を展開しており、法を無視したその姿勢が厳しく問われそうだ。

■後援会事務所に3枚の違法看板
 下は、福岡市博多区内にある春田氏の後援会事務所の全景。よく見ると、「春田くみこ後援会事務所」の看板が3枚、掲げられた形になっている。

春田1.JPG

 それぞれを確認すると、こうなる。

 春田2.JPG 春田3.JPG

春田4.JPG

 キャッチコピーは「解決ママさん」。看板のデザインからすると、「つなぐ! 弁護士・元裁判官」の文言がセットになっている。“元裁判官の優秀なママさん弁護士が、諸問題を解決する”ということなのかもしれないが、法律で定められた選挙や政治活動のルールを守らない人に、期待しろというのは無理な話。上掲の写真にある看板は、決められた寸法も設置枚数も守られておらず、いずれも違法となるからだ。

 公職選挙法は、政治活動のために使用される政治家個人や後援団体の看板等について『縦150センチメートル、横40センチメートルを超えないもの』と規定した上で、看板等の設置枚数についても上限を2枚と規定。違反した者は2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金となる。

 春田くみこ後援会事務所の看板は明らかに既定の大きさを超えており、枚数制限も1枚オーバー。さらに同法が看板等に添付するよう義務付けた選挙管理委員会発行の「証票」も貼られておらず、完全な違法状態となっている。春田氏は、公選法の規定を知らなかったのか、知っていて無視したのかのどちらかだが、いずれの場合でも元裁判官や弁護士という経歴をアピールポイントにする姿勢には疑問符が付く。

 25日、春田氏の事務所に違法状態であることの確認を求めたが、対応した古賀之士国民民主党参議院議員の秘書は「私は分からない」。春田氏自身のコメントを依頼したが、出稿までに連絡はなかった。



【関連記事】
ワンショット
 永田町にある議員会館の地下売店には、歴代首相の似顔絵が入...
過去のワンショットはこちら▼
調査報道サイト ハンター
ページの一番上に戻る▲