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立憲民主、衆院福岡1区支部長が辞任へ

2019年6月 3日 08:35

山本氏HP.png 衆参ダブル選挙の可能性が高まるなか、立憲民主党が、衆議院福岡1区の支部長を辞任させる方向で調整していることが分かった。事実上の更迭とみられており、早ければ今日にも支部長辞任が公表される。
 衆院選挙区の支部長は、次期総選挙で公認候補となるのが一般的。立憲の貴重な戦力が一人減り、福岡1区は候補者不在となる。
 一体、何が起きたのか……?
(左は、立憲民主党福岡1区・山本剛正氏のHPの画面)

■パワハラ、セクハラが常態化?
 立憲の福岡県第1区総支部長は、同党県連の副代表でもある山本剛正氏(47歳)。大学卒業後、議員秘書を経て2009年の総選挙に民主党公認で福岡8区から立候補し、麻生太郎首相(当時)に7万票近く離されて敗れながら、比例九州ブロックで復活当選した経歴の持ち主だ。

 2012年の総選挙では落選。14年、17年と選挙区を福岡1区に変えて立候補したが、いずれも落選し、比例復活にも届かなかった。夫人は、日本歯科医師連盟の組織内候補として参院議員を1期務めた西村正美氏である。
 
 解散風が吹く状況下、順当なら、次の総選挙で立憲から福岡1区の公認候補として出馬するのは山本氏。しかし、ある永田町の野党関係者は「山本氏が、立憲の公認候補として福岡1区から立候補することは100%ない」と断言した上で、こう話す。
「このところ、政治家の資質が問われる事件が立て続けに起きた。維新を除名された丸山(穂高)衆議院議員の戦争発言に女が云々と叫んだ件、同じく維新の長谷川豊による差別助長発言……。失言大将の桜田義孝前五輪担当大臣は、『子ども最低3人産んで』と軽口叩いて、顰蹙を買っている。山本氏の場合は、パワハラ、セクハラ。統一地方選に出馬した選挙区内の複数の地方議員候補に、ひどい仕打ちをしていたことがバレた。福岡1区内の立憲の地方議員は、みんな女性。問題が問題だけに、党本部としても黙認できなくなった」

 福岡1区で、立憲に所属する地方議員3人はすべて女性。4月の統一地方選において、東区と博多区で市議がそれぞれ一人初当選し、博多区では県議が2期目の当選を果たしていた。複数の陣営関係者に話を聞いたところ、山本氏の問題行為は選挙前から。総支部長の立場を利用する形で、強圧的に新人の女性市議候補らを従わせていたという。立憲内部を良く知る選挙関係者は、次のように話す。
「飲み会の強要なんて、まだましな方。パワハラが常態化していたし、セクハラ行為もあった。『剛正さんとはやっていけない』という声が県連を通じて党本部に届き、事実関係の調査となっていた。博多区の県議は、ジェンダーフリーの分野では第一人者。黙っているわけがない。候補者でいる間は剛正さんの方が立場が強かったが、バッジをつければ彼女たちの方が立場が上。剛正さんは支部長とはいえ、ノーバッチなんですから。本人が支部長辞任を申し出るはずだが、ごねれば正式な更迭になる」

 福岡1区は、福岡市最大の人口を有する東区と、博多祇園山笠で知られる博多区で構成され、昨年7月に亡くなった松本龍元復興担当大臣が長く議席を維持していた選挙区だ。松本氏の政界引退後、旧民主党系の後継として山本氏が出馬してきたが、自民党の井上貴博衆院議員に2回連続して敗れていた。
 
 6月解散が噂されるなか、同区の候補者が不在となる立憲民主党。なんとも痛い更迭劇となりそうだ。



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