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維新の憂鬱

2019年5月30日 09:55

維新.png 日本維新の会の所属議員だった丸山穂高氏の問題発言に続き、参院比例区の公認が決定していた元フジテレビ・アナウンサー長谷川豊氏が、江戸時代の被差別部落民について身分を示す差別的な呼称を使い「人間以下と設定された人たちも性欲などがある。当然、乱暴なども働く」などと発言していたことが分かり、批判を浴びる事態となった。
 維新は同氏に対し、とりあえず“公認停止”という訳のわからない対応。人権問題の専門家らによる第三者委員会の意見を聞いてから処分するとしているが、無知・無自覚丸出しの発言内容だったことは確かで、専門家の意見を聞くまでもあるまい。
 問題噴出の維新内部からも、候補者選定の甘さを指摘する声が上がっている。

■人権意識欠如の元フジテレビアナ
 長谷川氏は、海外滞在に関する費用の不正使用があったとして2013年にフジテレビ内の処分を受け、翌年退社。16年には「自業自得の人工透析患者なんて全員、実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ」などとブログで主張し、社会問題化する“事件”を引き起こしていた。

 2017年には、維新公認で千葉1区から出馬するも最下位で落選。昨年は、推薦人がいて諸費用を払えば大抵の人がもらえるという「東久邇宮文化褒章」とやらを受賞(?)したことをブログに投稿し(下の画像)、話題となっていた。ちなみに、東久邇宮という宮家は現在、存在していない。

長谷川豊.png

 同氏を知る報道関係者は、吐き捨てるようにこう話す。
「被差別民を巡る今回の発言も人工透析患者の時の発言も、根底にあるのは彼の無知。何も勉強していないのに、知ったかぶりして話す。マスコミ出身といってもピンキリですからね。彼がどっちであるかは、これまでの活躍を見れば分かるでしょう。長谷川氏が国会議員なんて、とんでもない。注目を集めるために激しい言葉を使う“炎上商法”が彼の特徴。維新は、どうしてこんな人間ばかり集めるんでしょうか」

■問われる政治家の資質
 丸山氏の戦争発言に加え、長谷川氏の人権に関する暴言――。大阪ダブル選と衆院大阪12区の補選で勝利して勢いが付きかけていた維新に、二人の口が水をかけた形だ。今月26日に行われた東京都足立区の区議会議員選挙では、一人の公認候補者のため維新の会所属議員が総力を挙げて応援に入ったにもかかわらず、あえなく落選している。ある維新関係者も、影響を認める。
「維新の会に対する批判は、明らかに広がってきています。応援に入った足立区でも、丸山や長谷川のことで、何度もお咎めの言葉を投げつけられました。正直、うんざり。候補者の選定には、もう少し慎重になるべきでしょうね。ただ、長谷川に対しては、なぜか対応が甘い。本当に厳しい処分をするのかどうか……」

 たしかに、丸山氏には間髪を容れず除名処分を下し、公然と「議員辞職」を求めたのに対し、長谷川豊氏には「公認停止」という緩い処分。足立区でも、こうした曖昧な対応が有権者の批判を呼んだようだ。長谷川氏はフリーのアナウンサーになってから、関西を中心に活動していたこともあり、維新の会幹部と親しい間柄。今回の処分も、“とりあえず参議院選直前まで公認を停止して、ほとぼりが冷めたら公示前か、だめなら次の選挙で公認しよう”という思惑が透けて見える。

 前出の維新関係者によれば、幹部の優柔不断に対し「長谷川さんが公認されたら、俺は離党する」などと豪語する議員もいるが、実際に無所属になってまで抗議する気概のある議員はいないのだという。
「維新に所属する議員は、みんな幹部の顔色をうかがって議員の地位を保持することに熱心。信念を貫くような人を見たことがない。物騒な発言で度々炎上する足立康史議員の好き勝手に対しても、形だけの叱責で、終わっている。足立さんも、決して離党しようとはしない。みんな無所属で当選する力など無い」(維新関係者)

 維新に所属する多くの議員は、いまだに橋下徹氏が再び立候補することを信じており、崇拝する創業者の影響下から抜け出せていないという。つまりは半人前以下の素人。議員になることが唯一の目的なので、辞めさせられるとなれば、上西小百合氏や丸山氏のように一転して党と激しく対立することとなる。

 少数政党では公認を得ることが容易で、大政党ではあり得ないほど低い得票でも当選するケースがある。例えば、同党の森夏枝衆院議員(京都3区)は小選挙区で16,511票と惨敗しながら、比例近畿単独一位で当選。神奈川6区から出馬した串田誠一衆院議員は24,424票で落選したが、比例南関東で復活当選している。

 自民党の「魔の3回生」も同様だが、口ばかり達者な議員が増えて、資質のある議員が少なくなっているのは間違いない。



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