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総理の“嘘”と政治不信

2019年5月16日 08:10

000039555.jpg 年中行事のように政治家の暴言、失言が飛び出し、謝罪と発言撤回で幕引きを図るケースが増えた。北方領土を「戦争で取り返す」と発言した日本維新の会の丸山穂高衆院議員も、党を除名されながら活動継続を宣言しており、責任をとろうという姿勢は見えてこない。
 増大する“政治不信”、軽くなる一方の“政治家の言葉”――。元凶は、平然と嘘をつき、国民を騙し続けてきたこの国の最高権力者ではないのか?

■対北朝鮮 ― 米国追随で「制裁」から「無条件」へ
 今月6日にアメリカのトランプ大統領と電話会談した安倍晋三首相が、「金正恩朝鮮労働党委員長と条件をつけずに向き合わなければならない」と述べたことが報じられた。ついこの間まで「必要なのは対話ではなく制裁」と主張していた人の、同じ口が言っているとは思えない突然の方針転換である。

 要するにトランプ追随。トランプが金正恩と北朝鮮に経済や軍事で対抗すれば「制裁、制裁」と声高に叫び、対話路線に転じれば「向き合う」と同調するわけだ。しかも、「条件をつけずに」――。無条件で金正恩に会うのが、拉致問題解決のためなのか核を放棄させるためなのか判然としておらず、場当たり的な外交に懸念の声が広がる事態となっている。安倍首相にとっての拉致問題は、右派の支持者を引き付けておくための道具に過ぎない。

■振り返れば嘘ばかりの安倍政治
 美辞麗句を並べて真意をごまかすのが安倍流の政治手法だが、対北朝鮮の話がそうであるように、彼の発言には筋が通っていない。政権発足から約6年半、首相の主な発言や経済政策「アベノミクス」について振り返ってみた。 

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 第二次安倍政権発足時、自信満々に言い放った「私の政権で拉致問題を解決する」も、「私が司令塔となって北朝鮮に対して早期解決に向けた決断を迫る」も真っ赤なウソ。何もできずに、米国にすべてを委ねているのが現状だ。「制裁あるのみ」から「無条件で向き合う」に変節した理由についても、首相は説明していない。

 経済政策もすでに破綻している。アベノミクスという言葉だけが独り歩きしてきたが、大多数の国民の所得は上がっておらず、“持てる者”と“持たざる者”の格差は広がるばかり。“3本の矢”も“新3本の矢”も、的にあたった形跡すらない。GDP600兆円や出生率1.8はどこに飛んで行ったのか……。

 安倍首相が発した戯言はまだある。「寄り添う」と言っておけば格好がつくと思っているのか、沖縄に関しては「沖縄の心に寄り添う」、東日本大震災の被災地向けには「被災者に寄り添った復興」。だが実際には、沖縄県民が知事選や国政選挙、さらには県民投票で示した「辺野古新基地反対」の民意は黙殺。復興五輪の担当大臣は、笑顔で「復興以上に(自民党議員が)大事」などと暴言を吐いた。一体何に寄り添っているのか?

 首相のもっとも酷い嘘は、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安保法などで国民の批判が高まる度に発してきた「国民の声と真摯に向き合う」「丁寧に説明していく」という釈明の言葉。同じように「丁寧」「真摯」を約束した、加計学園や森友学園の問題も未解明だ。安倍総理の約束は、守られたためしがない。

 「嘘つきは泥棒の始まり」という。そして、安倍さんは平気で嘘をつく。彼が盗み取ってきたのは「政治への信頼」。政治不信を助長する安倍政治を、これ以上続けさせてはなるまい。

 



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