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バトル再燃!福岡自民の危ない現状

2019年4月26日 09:45

 現職・小川洋知事の圧勝に終わった福岡県知事選挙。過去二回の選挙で小川知事を支えてきた自民党は、麻生太郎副総理兼財務相らが別の候補者を擁立したことで保守分裂を招き、県政野党に転じることになった。
 背景にあるのは、麻生派と麻生氏の傲慢な政治手法に反発する反麻生派勢力との権力闘争。知事選では県民を敵に回した麻生派が惨敗したが、辞任した県連会長の後継選びを巡って、再び戦闘状態になっている。
 
■懲りない自民党県連
 知事選は反麻生派の圧勝。山崎拓元自民党副総裁や古賀誠元幹事長、武田良太衆院議員などが担いだ現職の小川洋知事が、自民党推薦候補の武内和久氏を破り3選を決めた。小川氏129万3,648票、武内氏34万5,085票――。95万票の差は、小川知事の人気というより麻生太郎と麻生に従う自民党県連に対する批判の表れだったとみるべきだろう。だが麻生派は、知事選の敗因を真摯に受け止めていない。

 選挙後、「知事選惨敗のA級戦犯」(県議会関係者)と指摘される麻生や麻生側近の大家敏志参院議員が批判を集めるなか、県連会長を務めていた蔵内勇夫県議会議員が責任をとってスッパリ辞任。自民党県連は後継選びに入る。 

 会長選は25日に告示。立候補の締め切りは26日だったが、前県議団会長の原口剣生氏が国会議員や県議らで構成する県連役員62人のうち43人の推薦人を集めて立候補を届け出たため、他候補が規定の“推薦人20人”を確保できない状況になったとして、25日に受付自体を締め切った。原口氏の会長就任が内定した形だが、この流れを主導したのは麻生派。当然、反麻生派は猛反発している。

 県連所属の自民党国会議員は比例区の自見英子参院議員を含めて13人。他に福岡6区の鳩山二郎衆院議員がいるが、2016年の補選で県連を敵に回したため、いまだに県連には所属できていない。

自民県連.png

 県連所属の国会議員13人は23日、25日と会議を重ねたが、「国会議員から会長を選ぶべき」とする反麻生派の主張と「県議から会長を選出すべき」とする麻生派の4人の意見が対立。「国会議員団がまとまれば従う」としてきた県議団は23日の段階で見切りをつけ、原口氏の擁立を決めていた。鳩山氏を除く反麻生派の9人の議員は揃って25日に会見を開き、県連の動きに異を唱えている。

■蔵内氏辞任で小物ばかりの県連幹部
 県連の会長選出過程に瑕疵はないように見えるが、形だけを整えて相手を黙らせる手法は、知事選で新人の擁立を決めた時と同じ。麻生派は、95万票差で負けたことに、何も学んでいない。新会長に予定される原口氏は、先の知事選で県議団のまとめ役として新人の擁立を容認した人物。新しい県議団会長は、麻生氏の言いなりに動く松本国寛前県連幹事長だ。麻生の子分で、しかも「反小川県政」の主要メンバーが県連を牛耳る格好となることに、不快感を覚える県民は少なくないだろう。蔵内前会長に比べると、原口氏も松本氏もかわいそうなほどの小物。難局を乗り切る器量があるとは思えない。

 知事選で新人・武内氏の推薦を決めた自民党の甘利明選対委員長は、県連会長として党本部を訪れた蔵内氏に結論を伝える場で「参院選で一糸乱れず戦うこと」という条件を付けた。県議の数では麻生派、国会議員の数では反麻生派が優位という捻じれた状況で、県連がどう落としどころを見つけて夏の政治決戦に臨むのか注目である。衆参ダブル選挙が視野に入り始めた状況で、党員・党友を置き去りの権力闘争が、自民の得票を大きく減らす可能性もある。
 



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