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国交副大臣の「忖度発言」を招いたのは……

2019年4月 8日 09:30

大家1.png 麻生派の塚田一郎国土交通副大臣が辞任した。自民党推薦で福岡県知事選挙に出馬した新人候補の応援演説で、北九州市と山口県下関市を結ぶ「下関北九州道路」(下北道路)の事業費予算化を、安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相への「忖度」だったと自賛した責任を取ったもの。自民党が利益誘導型の政党であることを再認識させる出来事となったが、塚田氏に忖度を迫った二人の政治家の内、ひとりは知事選で惨敗を喫した元厚生官僚の擁立を強引に進めた大家敏志参議院議員(福岡選挙区)だった。
(写真は左から大家氏、吉田参院自民党幹事長、塚田氏。大家氏のHPより) 

■仕掛け人は大家参院議員
 選挙の応援に来たというより、落選させに来たと言った方がよさそうな塚田氏の発言だった。問題の忖度発言は、およそ次のようなものだが、下北道路の予算化に大家参院議員が大きな役割を果たしていたことが読み取れる。 
 
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 下北道路の事業化が、何年も前からの政治課題だったことは確か。北九州市や下関市といった関係自治体及びそれぞれの県が、国への事業化要望を続けてきていた。とりわけ、北九州市を主地盤とする大家氏にとっては最重要課題だったようで、昨年12月には自身の公式サイトなどで下北道路事業化への動きを何度も紹介していた。以下、大家氏のフェイスブックへの投稿から動きを追った。

 まず12月16日。大家氏は、塚田氏に忖度を迫った吉田博美参議院自民党幹事長らと現地視察したことや、北九州市内に関係者が集まり「下関北九州道路整備促進大会」が開催されたことを紹介(下の写真)。下北道路については、この段階から、大家氏と吉田氏がセットで登場する。

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 19日には、吉田参院自民党幹事長らと麻生財務相を訪問。下北道路の整備促進を申し入れていた(下の写真)。

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 次が問題の国交副大臣室でのやり取りの模様。下の写真、左が吉田参院自民党幹事長、真ん中が塚田前副大臣、右が大家氏である。吉田幹事長が「塚田、分かっているな」と迫り、塚田氏が忖度を決めたという場面がこれなのだろう。

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 最後が、下北道路の事業化について話し合った直後の3人。塚田氏と大家氏の笑顔が印象的である。

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 下北道路の事業化を巡る一連の流れで「活躍」したのは、大家、吉田、塚田といった自民党の参議院議員。夏の参院選を意識してのことだろう。このうち大家、塚田両氏は麻生派所属であり、大家氏にとっては親分である麻生氏の地元ということを最大限に利用し、自身の成果を宣伝する絶好の舞台だったろう。

 塚田氏の「忖度発言」が行われたのは北九州市内。同市を主地盤とする大家氏が仕切った知事選絡みの集会における暴走だった。下北道路の事業化について話すように依頼したのは、大家氏か麻生氏のどちらか。事業化を宣伝すると同時に、強引に擁立を決めた知事候補へのテコ入れにも利用するつもりだったとみられている。結果として、下北の事業化に“?”が付き、自民党の知事候補が票を減らす格好となったのは、皮肉としか言いようがない。




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