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福岡知事選自民新人、立候補届に虚偽記載 本籍「東京都」を「福岡県」
問われる立候補の有効性

2019年4月 3日 07:35

DSCN0897.JPG 保守分裂となった福岡県知事選挙に立候補している自民党推薦の新人候補が、先月21日の告示日に県選挙管理委員会に提出した「候補者届出書」に、間違った本籍を記入していたことが分かった。
 公職選挙法は、届出書に氏名、住所、本籍などを記入するよう定めており、新人候補の届出書が同法の規定に違反した状態だったことは明らか。事実上の虚偽記載であり、立候補の有効性が疑われる事態と言えそうだ。

■本籍「福岡県」じつは「東京都」
 公職選挙法は、《公職の候補者となろうとする者は、当該選挙の期日の公示又は告示があった日に、郵便等によることなく、文書でその旨を当該選挙長に届け出なければならない》として、「候補者届出書」の提出を義務付けており、届出書には《公職の候補者となるべき者の氏名、本籍、住所、生年月日、職業及び所属する政党その他の政治団体の名称その他政令で定める事項を記載しなければならない》と規定している。

 告示日には「供託証明書」、「宣誓書」、「戸籍謄(抄)本」、「通称認定申請書」、「選挙運動期間中報酬を支給する者の届出書」、「出納責任者選任届」、「選挙事務所設置届」といった書類の提出も必要となるが、「候補者届出書」は基本中の基本。記載に不備や間違いがある場合には、立候補の受付自体が認められない。

 HUNTERの取材によれば、自民党推薦で福岡県知事選挙に立候補した新人候補は、本籍が「東京都」であるにもかかわらず、候補者届出書に「福岡県」と記入して県選管に提出。告示日から数日後、県選管が同候補の戸籍謄本を確認する過程で、記載の誤りが判明したという。

 県選管の指摘を受けた新人候補の陣営は、3月28日付けで実際の本籍を東京とする「異動届」を提出。これを受けた選挙長が、28日付けで県公報に告示していた。下が、公報の記載である(画像はHUNTER編集部で一部加工)。

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■立候補は有効か?
 県選管は、一連の経緯について認めているが、法の規定を無視した事実上の虚偽記載が「異動」で片付けられるとは思えない。選管としては苦肉の策だったのだろうが、立候補の有効性が揺らぐ事態であることは確かだ。さらに、「東京都」に本籍を置きながら「「福岡県」と申告したことは、虚偽次項の公表とみられてもおかしくない。

 ある県政界の関係者は、次のように話している。
「候補者の本籍を間違って立候補届に記入したなんて話は、聞いたことがない。前代未聞。お粗末すぎて話にならない。大体、書類を書いた時点で本人に確認するのが普通だろう。本籍を間違うはずがない。まさかとは思うが、意図的に本籍を福岡県にしたのではないかという疑いを持たれてもおかしくない。選管が気付かなければ、有権者を欺いたままになっていた可能性もあり、単なるミスで済む問題ではない。立候補自体が無効になっていてもおかしくない話だろう」

 2日、自民党推薦候補の選挙事務所に確認を求めたところ、「単なる書類作成上のミス。選管が異動届を受け付けている」と強気の姿勢。だが、候補者本人の本籍を偽ったことに変わりはなく、“虚偽記載”の指摘を否定することができない状況となっている。
 



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