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福岡知事選“A級戦犯” 麻生・大家に厳しい批判

2019年4月11日 06:45

麻生太郎.png 福岡県内に11ある衆議院の選挙区で、すべての議席を占めている自民党が、推薦候補を擁立した県知事選挙で惨敗した。新人を登用する形で引導を渡したはずの現職に、95万票もの差をつけられるという最悪の負け方である。
 現職が大幅にリードしていた事前調査の結果を無視して保守分裂を招いたのは、麻生太郎副総理兼財務相とその子分、大家敏志参議院議員。責任をとって議員を辞めるのかと思いきや、最高顧問やら県連選対委員長といったどうでもいいような役職の辞任でお茶を濁そうという魂胆だ。
 当然、県内の自民党関係者から猛烈な批判が出ている。

■「A級戦犯は麻生さんと大家」
 潔かったのは県連会長の蔵内勇夫県議会議員。敗戦が決まった7日の夜には、「責任はすべて県連会長の私にある」として辞任の意向を表明した。

 ある自民党関係者によると、県連が元厚生官僚の武内和久氏を知事候補に決めるところから党本部の正式推薦に至るまで、蔵内氏は蚊帳の外状態。1月30日に党本部に呼ばれた際は、甘利明選対委員長がから「武内推薦」と聞かされ驚きを隠せなかったのだという。
「蔵内会長は、県連会長の立場で知事選に付き合っただけだろう。武内推薦を主導したのは麻生さんであり、その子分の大家だ。この二人はA級戦犯。県議の中村(明彦)、松本(国寛)あたりがB級戦犯だろう。特にタチが悪いのは大家。とにかく横柄で、こいつだけは許せない。反麻生の機運が盛り上がったせいで、苦戦したり、落選した仲間もいる。麻生さんと大家は、議員辞職して党員に詫びるべきだろう」

 もともと武内氏は大家議員の高校の後輩。旧知の仲だ。麻生副総理の意向を受けたこともあり、大家氏は武内推薦を強引に進めた。自民党県連が知事候補の公募を開始したのは昨年の12月21日で、最終期限が28日。KBCの番組にギリギリまで出演していた武内氏が県連の公募に応じたのは12月28日で、翌29日には大家氏が選対委員長としてが武内氏を推薦候補に決定していた。取材に応えた県連関係者は、この点について厳しい批判を口にする。
「たった1日で知事選の候補を決めたことなんて、ただの一度もなかったはずだ。選考過程に瑕疵はないということになっているが、そんなこと誰も信じてないだろう。候補者選考は大家の独り舞台。ハナから、じっくり選ぼうという気などなかった。だいたい、公募することを決めるかなり以前から、武内で決まっていたんだから。みんな知っていて、大人の対応をしているだけ。麻生さんに忖度して(笑)」

 大家氏の強引なことの運び方には早い段階から反発の声が上がっていたが、知事選惨敗を受けて言葉もきつくなっている。中堅県議は言う。
「大家の選挙は3年後。支援する県会議員は、一けたいるかいないかという状況になるだろう。麻生さんが引退でもすれば、大家が公認を得ることさえ難しくなるんじゃないか。それくらい反発を買っているし、『大家だけは許さない』と公言する関係者は少なくない。虎の威を借るなんとやらで、威張り散らかしてきたが、度が過ぎた。県連の選対委員長なんて軽い役職。辞めて責任をとったことにはならない。大家は議員辞職すべきだ」

■蘇る奥田県政時代
 大家氏への批判を口する自民党関係者は、いずれも「大家」と呼び捨て。さすがに元総理の麻生氏には「さん」がつくが、同氏が県連の最高顧問を辞任するという話には手厳しい反応がほとんどだ。古参県議はこう吐き捨てた。
「ふざけてる。県連の最高顧問なんて名誉職で、辞めたからといって責任をとったことにはならない。今後どうなるか分からないが、福岡の自民党が県政野党になったのは確か。奥田革新県政(*)以来の屈辱だ。負けると分かっていた武内を推薦するよう安倍首相にねじ込んだのが最大の間違いで、結果、保守分裂を招いた。夏の参院選に影響が出るのは必至。麻生さんが、やったことの重大性に気付いていないとすれば、ただの老害だろう。引退されたほうがいい」
(*奥田革新県政:1983年から1995年まで、3期にわたって社会党と共産党が支持した奥田八二氏氏が知事を務めた) 

 1983年から3期続いた奥田県政は、野党会派だったその頃の福岡自民にとっては暗黒時代。今回の知事選では6人の自民党衆議院議員と2人の自民系県議が小川洋知事を支援したため当時の様相とは異なるが、麻生や大家に付き合って武内推薦を容認した県議団が野党化したことは確か。多難が予想される小川県政に、奥田県政時代をダブらせる関係者は少なくあるまい。“私怨”から、こうした状況をもたらした麻生副総理に、厳しい批判が集まるのは当然なのである。

 



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