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ゆがむ鹿児島・三反園県政(下) 巨大公共事業にチラつく元議員秘書の影

2019年2月 6日 09:20

20120705_h01-01t.jpg 鹿児島中央駅西口に計画される総合体育館と複合商業施設「ドルフィンポート」周辺の再開発構想に、醜悪な利権の匂いを嗅ぎ取っている鹿児島県の関係者は少なくない。
 伊藤祐一郎前知事時代は、ドルフィンポート跡地横に総合体育館(スーパーアリーナ)を整備するという計画だったが、300億円という巨額な事業費に批判が集まり白紙撤回に追い込まれた。それが、県政刷新を掲げて初当選した三反園訓知事のもと、体育館整備と港湾地区の開発を別にするという、伊藤県政時代を上回る規模で復活したからだ。土建屋県政の実態について、さらに検証を進める。
(写真は鹿児島県庁)

■疑問だらけの本港区エリア開発構想
 鹿児島県は2017年、ドルフィンポートを含む鹿児島港本港区エリアのグランドデザインを描くため、プロポーザルで選んだ民間のコンサル業者に「鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業」の調査支援業務を委託した。将来、本港エリア一帯約30ヘクタールを観光の目玉スポットとして整備する方針だ。

 業務委託の契約金額は約900万円。対象地について現状分析し、調査結果をもとにエリアごとの活用方法や施設配置について複数の案を示すよう求める内容となっている。その成果物として昨年2月に県に納められたのが「平成29年度 鹿児島港本港まちづくり検討事業 調査報告」。今年度中に策定されることになっているグランドデザインの基礎資料となるこの報告書は、開発検討区域を本港区エリア全体とする「ケースA」、エリア全体から民間事業者による活用提案の少なかった南ふ頭を除外した「ケースB」、“ドルフィンポート敷地+ウォーターフロントパーク”と北ふ頭を中心にしつつ、両地区の連携性を確保するために桜島フェリーターミナル背後を活用する「ケースC」の3つに分け、それぞれの開発イメージを示している(下の図参照)。

ケースA~C.png

 最終的には、開発規模が最も大きい「ケースA」になるものとみられているが、具体的に何をどう整備するのかは未定。官・民の事業比率についても、関係団体間との話し合いすら持たれておらず、事業費についての試算ができない状況だ。昨年11月、同報告を基にしたグランドデザインの「案」が示されたが、予算がどこまで膨れ上がるのか分からない。

 事業の全容がみえない状況だが、コンサルの報告書には、県として対象エリアに整備したいのが「商業施設」であることを強く印象付ける記載がある(下参照。赤い囲みはHUNTER編集部)。本港区エリアに導入すべき機能とされているのは、主として物販、飲食。伊藤知事時代に想定された体育館(アリーナ)はもちろん、サッカー場なども含まれていない。

ケーススタディ.png

■利権に歪む三反園県政
 三反園知事は、一体何がやりたいのか――。ある県の関係者は、三反園氏が狙っているのが「本港区エリアへのアウトレットモール誘致」とした上で、こう解説する。
「知事選で三反園が掲げたのは、“アウトレットモール誘致とドーム球場の建設”だった。当初、アウトレットモールは霧島市周辺に誘致する考えだったが、親密だった霧島市長が落選したため、その必要がなくなった。アウトレットモールを誘致するなら本港区エリアしかない。すると、本港区に他の大規模施設を整備することはできないから、アリーナは鹿児島中央駅西口。利権の種を増やして、がっぽり稼ごうという魂胆だ」

 2005年にオープンしたドルフィンポートの運営主体は、地場の老舗百貨店山形屋などが共同出資した「鹿児島ウォーターフロント株式会社」。土地は県有地で、約15年の期限付定期借地となっているため来年には契約が満了する。ドルフィンポートを含む本港区エリアの整備を進める時期にきているのは確かだが、商業施設の次に商業施設の再整備ではあまりに芸がなさすぎる。

 県が描くグランドデザインの前提となるのは、述べてきた通り「鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業」の調査報告書。コンサル業者を選ぶプロポーザルは、県が選んだ12の業者だけで競わせるという、怪しい方法によるものだった。つまり、「はじめに商業施設ありき」が県の方針。鹿児島市や経済界との協議を無視して、三反園訓と側近だけの思惑が優先される歪んだ県政の姿といえるだろう。

 「鹿児島県の利権を握る人物」として大手ゼネコンをはじめとする建設関係者から頻繁に聞こえてくるのは、参議院議員の元秘書で東京都内に本社を置く不動産コンサルタント会社の代表B氏の名前。三反園氏の後援会活動や選挙戦全般の仕切りを行っていた人物だが、鹿児島市内に事務所を構え、利権に群がる業者をそこに呼びつけているのだという。「ドルフィンポートも体育館もBの利権」(県議会関係者)という話が、真実味を増す状況となってきた。



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