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日本維新の賞味期限 ~ 止まらぬ支持率低下

2019年1月18日 08:42

 賞味期限が切れたということなのだろう。いずれの世論調査でも、日本維新の会の支持率が軒並み急降下。直近でNHKが行った調査では、0%台で競ってきた国民民主党に抜かれるという悲惨な状況に陥っている。
 人気が低下したのは確かで、同党の創業者である橋下徹氏の講演会も、会場が埋まることが無くなってきているという。

■国民民主に抜かれた支持率
 下は、NHKが今月12日からの3日間に、18歳以上の男女1206人から得た調査結果の中の政党支持率だ。

NHK.png

 国民民主の低支持率ばかりが問題視されてきたが、じつは維新の落ち込みの方が深刻。昨年7月時点で維新の0.8に対し国民が0.7、8月の維新0.9に対し国民0.4といった状況だったものが、9月から逆転。同月が維新0.3対国民0.7、10月が維新0.5対国民0.8、11月維新0.4対国民1.5、12月維新0.6対国民0.9と推移してきている。国政選挙で、多数の当選者を出せる状態ではないということだ。

■大阪でも地盤沈下
 全国的に支持率が下がることで、本拠地大阪での人気にも陰りが出ている。大阪都構想の住民投票をめぐって公明党と対立する大阪府の松井一郎知事は先月、同党と水面下で交わした合意文書を暴露。大阪市の吉村洋文市長とともに任期途中で辞職し、来春の統一地方選に合わせる形で出直し選に臨む可能性を示唆した。選挙を施策実現の道具にしか考えていない維新らしい脅しだが、大阪府民はシラケきっているのだという。

 ある維新関係者の話。
「都構想はたしかに1丁目1番地の最重要施策だが、府政の課題はそれだけではない。せっかく万博の誘致に成功したところなのだから、府も大阪市もそこに向けて全力をあげるべきだろう。そもそも、府議会も大阪市議会も維新は過半数を得ていない。まずは維新の地方議員を増やして、堂々と議会の賛同を得るべきだ。選挙で勝てば白紙委任というのが維新の考え方だが、それはケースバイケース。案件による。一度は住民投票で敗れているんだから、これ以上駄々っ子みたいなマネをしていると、大阪での支持率も0%台になりかねない」

 出直しダブル選については、維新創業者の橋下徹氏も有権者無視のふざけた提案を行っている。松井大阪府知事と吉村大阪市がそれぞれ辞職して出直し選に打って出る場合、知事と市長を両氏がくら替えして立候補すべきだというのだ。入れ替わると、それぞれの任期が数カ月から4年に延びるからだとしているが、まさに駄々っ子の脅し。幼稚すぎて話にならない。

 その橋下氏も賞味期限が切れかけている。同氏の講演料は200万円という高額なもの。しかし、維新関係者にとってはいまだに「橋下徹」が唯一の看板であるため、講演依頼が絶えない。つまりは人寄せパンダなのだが、昨年の都議選でもそうだったように、講演会場は定員の7~8割が埋まる程度で、かつての熱気はないのだという。

 水面下で希望の党との合流話が進んでいると明かす関係者もいるが、上掲のNHK調査結果でも分かるように希望の支持率はほぼ「0」。実現しても維新の支持率が回復することはない。

 国会では、安保法制やカジノ法など国民の過半数が反対する政治課題の審議で自民党に与してきた維新――。有権者から見放されているのは確かで、消滅までのカウントダウンが始まったとみるべきだろう。



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