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「日本維新の会」党内バトルの行方 ― 過激さ増す足立発言

2018年10月30日 08:15

足立議員.jpg 何かと騒ぎを起こすことで有名な、日本維新の会の足立康史衆議院議員が党幹部と対立している。それが表面化したのは、9月12日の「日本維新の会両院議員懇談会」での最後の場面だった。
 足立氏が党の職員に「(俺が渡した)資料配ってないの?」「すぐに配れ」と命じて、維新国会議員団の問題点を指摘しようとしたところ、不快の念を隠そうともしない馬場伸幸幹事長が、「あと10分で記者会見があるので手短に」と催促。足立氏は党幹部の問題点を喋り始めたが、片山虎之助共同代表が「またの機会に話を聞くことにするから」と打ち切り宣言し、そのまま時間切れで閉会となった。その後、足立氏の党や党幹部に対する批判は過激さを増す一方。離党しないのが不思議なくらいだ。
 維新の中で何が起きているのか……。(写真が足立衆議院議員。維新HPより)

■過激さ増す足立発言
 両院議員懇談会の直後、足立氏はツイッターで、「9/12の両院懇では、1)沖縄県知事選、2)災害復旧、3)党勢拡大、4)不当処分、5)規約改正の5点について事前登録して発言機会を求めましたが、発言する前から馬場幹事長から時間がない旨の制止がかかり話になりませんでした。党両院議員には紙で配布申し上げてありますが」と発信(下の画像参照)。

足立議員0.png
足立議員4.png

 その後も同党や同僚議員への批判は止まらない。ネットニュースでは――「維新もダメだね。立憲はバカだとか、国民民主党もダメとか言っているけど、枝野(幸男)さんは曲がりなりにも毎週末全国遊説している。玉木雄一郎くんも毎週末、全国を走り回っている。維新の会はやっていない。僕じゃなくてもいいけど、戦う共同代表が必要。今の執行部は戦っていない」(AbemaTV・「議員GO」で)

 「今日は、神奈川維新政治塾の会合が横浜であり、串田代議士からの飛び入り参加容認ツイートを受け、急きょ参加してきました。改めて思うのは、日本の経済を敗戦前夜に例え、資産をドルや現物に置き換えることを推奨する藤巻参議院議員に、国政維新の看板で発言する資格はない…」(9月30日・ツイッター)

 「先の通常国会についてはご指摘の通りですから、私もIR法案の見通しがつくまで静かにしていたつもりです。しかし、通常国会と同じようなスタンスを臨時国会でも続けることに、私は反対であると主張しているのです。そんなことをしたら、大阪栄えて国滅ぶ、確実に日本維新の会は無くなってしまいます」(10月14日・ツイッター)

 「今の国政維新執行部は、自民党のDNAの呪縛から逃れられないでいます。それが彼らの政治家としての強みそのものだから当然です。しかし、維新がここまで生き残ってきた強みが今は足かせになっています。新しい環境の中で競争に打ち勝つためには、イノベーションのジレンマを乗り越えねばなりません。もちろん当時の橋下代表、松井代表らが片山代表に国会議員団を束ねるよう要請した等経緯があるのかもしれません。しかし、国政維新の国会議員22名には他の議員団とは異なる重い責任があります。全国を走り回り自民党とは異なる政党の理念を拡大していくことです。それが出来ないなら辞めるべきです」(10月15日・ツイッター)

 「私が解党した方がマシだと断じたのは、維新では無くなりつつある似非維新についてです。維新の支持者が投票して下さったのは、皆で議論し多数決で決したルールに従い運営する、新しい政党であり新しい政治です。
改めて申し上げます。国政維新が古い政治に終始するのであれば、解党するべきです」(10月15日・ツイッター)

■松井知事の叱責も効果なし
 所属議員から出た「解党するべき」――。さすがに黙っていられなくなったらしく、松井一郎代表(大阪府知事)がリツイートする。
 「国政において政府とは是々非々の野党というのが維新の立ち位置でしょ。足立さん貴方は評論家ですか?現職議員なら自分の考えを実現する為に賛同者を集める事です。それと、貴方は維新の会がある事で比例当選出来たのです。簡単に解党した方がマシと言うのは慎みなさい」(10月15日・ツイッター)

松井知事2.png

 党の代表である松井府知事の叱責も効き目はない。足立氏はその後も吠える。
 「今の国会議員団執行部に党規約上の正統性はありません。党規約に従えば、国会議員団役員会で代表選出規定を整備し、両院議員総会で代表を選出する。当該国会議員団代表が党の共同代表に相応しいとなれば、松井代表が当該国会議員団代表を党共同代表に任命する。これが党規約が求める正当な手続きです」(10月18日)

足立議員2.png

 「国政維新は党改革の正念場だと思っています。離党勧告や除名処分を乱発する政党ガバナンスは明らかにおかしい。何よりも有権者、支持者に対する説明責任を果たせていないのは大問題。片山共同代表、馬場幹事長がその責任を果たせないなら、最低でも国会議員団代表選挙で正統性に決着を付けるべきです」(同日)

■「炎上が狙い」「戦略」 ― 意気軒高な足立氏
 何故こんな発言が続くのか不思議に思うのだが、ご本人には何らかの確信があるらしい。29日、足立議員に直接話を聞いた。
 「党を潰したいわけではない。でもこのままいけば潰れる。維新の再興を図りたいだけ。(過激な発言で)わざと炎上させているんだ。炎上が狙い。一人ひとりが真剣に考えるための、きっかけ作り。戦略的にやっている」

 足立議員は10月23日に行われた日本維新の会の「両院議員懇談会」でも「党両院議員の皆様へ」と題する紙を配って自分への支持を求めたが、賛同する議員はいないという。党内バトルの行方やいかに――。



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