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名護市長を支える辺野古埋め立て業者のカネ
自民党・土建屋選挙の実態

2018年12月 7日 08:55

okinawa.jpg 今年2月に行われた沖縄県名護市の市長選挙で、初当選した渡具知武豊氏を支援した「自由民主党名護市支部」が沖縄県選挙管理委員会に提出した平成29年分政治資金収支報告書から、辺野古埋め立て工事を受注している地元の建設業者などに頼った資金調達の状況が明らかとなった。
 沖縄の海を汚す業者のカネで渡具知氏が市長になった格好。名護市を狂わせた土建屋選挙の実態とは――。
(写真は名護市役所。円内が渡具知名護市長)

■名護市長選費用、原資は業者のカネ
 自由民主党名護市支部の平成29年の収入は2,670万7,161円。前年からの繰越しが33万4,161円で、29年だけの収入額は2,637万3,000円となっている。

 支出総額は2,001万3,573円で、経常経費が152万1,631円。支出の大半が他団体への寄附だった。

自民支部寄附.png

 同支部から3件計1,208万円の寄附を受けた「くらしを豊かにするよう市民の会」は、選挙期間中、確認団体として渡具知市長を支援した政治団体。500万円寄附された「とぐち武豊後援会」は、渡具知市長の後援団体だ。同支部が渡具知氏本人にも400万円の寄附を行っていたことが、市長の選挙運動費用収支報告書に記載してあり、陣営が費消した選挙資金のほとんどが名護市支部から出た形となっている。

 主な収入のうち500万円は自民党沖縄県連からの寄附で、残りの大半は企業献金である。収支報告書に並んでいるのは、地場の建設業者を中心に45社の社名。8月から12月にかけてのわずかな期間に、約2,000万円を集めていた。渡具知氏が市長選への立候補を表明したのが昨年の7月27日。陣営の選挙資金集めが、立候補表明後に本格化したことが分かる。

寄附者一覧.png

■辺野古埋め立て業者が百万円単位の献金
 献金企業の中には、「屋部土建」「国場組」「北勝建設」といった社名も。この3社は、辺野古の埋め立て工事で大手ゼネコンと建設共同企業体(JV)を組んでいる建設業者である。辺野古埋め立て工事に使用される土砂の桟橋を提供したことで批判されている「琉球セメント」も100万円を寄附していた。他にも、辺野古の埋め立てで仕事を得る企業が複数社。渡具知市長は、辺野古の埋め立てで利益を得る企業のおかげで勝利を得たと言うべきだろう。

 さらに問題とみられるのは、献金企業の多くが名護市の指名業者であることだ。公職選挙法は、地方公共団体と請負その他特別の利益を伴う契約を結んでいる者が、当該地方公共団体の首長や議員の選挙で寄附を行うことを禁じている。自由民主党名護市支部は、渡具知市長個人に400万円、「とぐち武豊後援会」に500万円を寄附しており、指名業者の献金が迂回して市長陣営に流れたのは確かだ。法の趣旨からいえばグレーなカネの流れであり、脱法的な資金集めだったと批判を受けても仕方のない状況だ。

 渡具知氏は、安倍政権の全面的な支援を受けて辺野古移設反対派の現職を破り、初当選を果たした。しかし、その選挙を資金面で支えていたのは、辺野古の移設工事に関与している地場ゼネコンや市の指名業者。土建屋選挙の是非が改めて問われることになる。政府は、沖縄県民の「辺野古移設反対」という意思を無視して、今月14日にも辺野古の海に埋め立て土砂を投入する構えだ。



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